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3.31.2016

1970年代のクロスオーバー(ジャズ)その1

1970年代半ば、貧しい母子家庭の長男だったオレは高校生。母親に小遣いをせびるのもためらわれ、カフェでバイトをして読む本を買ったりお茶代にしていた。クラス内では特に浮いている訳でもなかったがグループで連む時間と一人でフラつく時間をバランス良く分けて作っていた気がする。

一人の時はだいたい本屋を漁り、レコード屋を覗き、ジャズ喫茶で昼寝したり読書したりしていた。レコード屋はあくまでも覗くだけだ。その当時でも日本製のレコードは2000円以上したし、好きだったマイルスがリリースしていたアルバムは2枚組ライブがやたら多く、それぞれ2800円から3200円という高価な代物だった。

ジャズ喫茶でもコーヒーは一杯400円から500円。音楽への好奇心を満足させるためにはコーヒー一杯で粘りに粘って世界最高級のオーディオシステムで出来るだけ多くのレコードを聴く方が安かったのだ。

東京JR中央線沿線の各駅周辺には多くのジャズ喫茶があった。クロスオーバーを聴くなら「Outback(アウトバック)」という野口伊織氏の店が一番だった。壁を隔てた隣には「赤毛とそばかす」というこれも野口氏経営のロック喫茶があった。Outbackにはアルテックのスピーカーのコンポーネントをコンクリートの壁自体に埋め込まれたラディカルなスピーカーが設置されていて、それをマッキントッシュのアンプで鳴らすというとても「エレキマイルス的」なシステムがドーンとあった。

エレクトリックマイルスが生んだ数々のバンドリーダーたちや音楽の可能性を追うのが個人的には好きだった。「マイルスが歩んできた道程のルーツは?」などとは考えず、新しいものばかりに関心が行っていた。したがって「ジャズ」の大御所たるチャーリー・パーカーやルイ・アームストロングなどは特に聴かず、ジャズロックやフュージョン、クロスオーバーと呼ばれた純粋な意味ではジャズとは呼べない(のであろう)音楽を好んだ。

なけなしの郵便貯金を引き出してマイルスやハービー・ハンコックを今は無き新宿厚生年金会館へ観に行った。あの体験は今もオレの中で貴重なものとして生き続けている。

当時のジャズ評論家たちは電気マイルスは『スイングしていない』と盛んに批難していたし、夕方以降ジャズ喫茶でアルコールが飲める時間になるとやって来た「いかにもジャズを聴きそうな大人達」がウイスキーをロックで舐めPeaceの両切りを吸いながら聞いていたのもエレクトリックなマイルスではなかった。「スイングしてないってどういう事だ?関係ねぇだろうが…」と言えるようになったのはオレが渡米してからずいぶん後の話だ。

マイルスがここまで神格化(?)されるほどになった今、彼のエレキ音に顔をしかめていた彼らはどう感じているんだろう?

アメリカの映画/テレビで活躍している黒人男優、ドン・チードルが主役と監督を務めた新作映画「Miles Ahead」はそんなマイルスを描いており、近日公開予定となっている。あのオジさんたちがどう思うかお話ししてみたい気がする。

あれ以来ずっと今に至るまでオレにとってジャズは「スイング」しているかではなく、「グルーブ」があるかどうかだ。




12.15.2010

ザ・ウォール LIVE パート2


「壁」というテーマは社会的、政治的な印象が強いけれど、「ザ・ウォール」の中では無意識に、あるいはトラウマに伴って人間が作り上げてしまう心理的な意味での壁にも言及している。鬱病やひきこもりなどのような心の病がストーリーの主人公であり、作者の分身でもある「ピンク」に壁を構築させ、四面楚歌の状況に自ら置かせている。この作品を創作していた頃の心境をロジャー・ウォーターズ自身が振り返り、「あの頃はロックンロールからはまるでかけ離れた精神状態にあった」と、このコンサートの最後でもそう言っていた。

このコンサート自体はアルバムに忠実な構成で、一部は二枚組アルバムの一枚目、休憩の後の二部は二枚目となっている。このアルバムを幾度となく繰り返し聴いてきた自分にとって、音楽面では特に目新しい部分は無かった。むしろ、ほんの一曲か二曲を例外として即興などをそれほど追加せず、アルバムのほぼ原型で演奏してくれたおかげで感激は倍増したと言っていい。


これはギターソロにも言える。デイヴィッド・ギルモアのパートをこのコンサートで演奏したのはデイヴ・キルミンスターというギタリストだった。彼はギルモアのソロを一音一音実に忠実に演奏していて、ギターソロの最高峰のひとつとも言われる「コンフォタブリー・ナム」のソロも出来上がった壁のてっぺんから見事に再現してくれたため、曲の心情が直に伝わって鳥肌ものだった。


そして最後に「壁」は崩れ去った。話には聞いていたが、発砲スチーロールで出来ているかもしれない壁ではあってもライブで実際に観ると圧巻だった。ロジャー・ウォーターズは最後の挨拶で「国々の間に立ちはだかる壁が全てこのように崩れさる日が来る事を願っています」と言った。あの素晴らしいコンサートの最後に言われるとさすがに説得力満点だ。


因みに、一緒に行ったドイツ人の友達がこのショーの部分をいくつかiPhoneで撮ってYouTubeにアップしている。他にも多くのライブ映像がアップされているので、是非チェックして下さい。

ザ・ウォール LIVE パート1


1980年、ピンク・フロイドがリリースと同時に世界を震撼させた「The Wall」を引っさげてアメリカンツアーを行った頃、僕は今日の飯にも困る貧乏学生で、あのショーは観たかったけれど断念せざるを得なかった。もっとも、コンサートのセッティングがあまりにも大規模だったため、アメリカではニューヨークとロスアンゼルスだけでしか公演されなかったのだが、それでもあれは観たかった。

あれから30年。ピンク・フロイドによる演奏ではないけれど、この作品のコンセプトを練り上げ、ほぼ全編をクリエイトしたロジャー・ウォーターズによる演奏を観る機会が遂にやって来た。しかもここサンノゼで。チケットは4月に買った。安い買い物ではなかったが、これに限っては「そういう問題じゃない」。

30年前と言えばパソコンという代物さえ世に新しく、IBMの「PC」でさえまだ市販化されていない時代である。当時から今までに起こったテクノロジーの進化と向上は、このコンサートのプロダクションにも大きな変化をもたらした。待った甲斐はあった。

最初はステージ両脇にしかなかった壁がショーの進行とともにステージの中央にまで築かれていく。出来上がっていく壁には6台の完璧に同期されたプロジェクターが様々な映像を投射している。



興味深いのは、大スクリーンと化した壁に6台の完璧にシンクロされたプロジェクターから投射される映像が戦争、貧困、格差社会、権力の横行など、現在世界中で起こっている悲劇を痛烈に批判し風刺していること。この点、いかにもロジャー・ウォーターズ、という感じだ。

「ブリング・ザ・ボーイズ・バック・ホーム」という曲では、「Bring The Boys Back Home」のレタリングが画面に現れ、観客の大声援を呼んだ。アフガニスタンとイラクへ出兵した兵士たちを帰還させろ、というメッセージは30年前にも増して現在のアメリカ人やイギリス人には直に響く言葉なのだろう。もっとも、カリフォルニアという政治的には革新系の人々が多い土壌だから、なのではあるが。


「The Wall」という題材は、様々な普遍的なテーマを内蔵した作品である。ベルリンの「壁」が崩壊した直後に多くのアーティストが参加して演奏された事も当時は非常にタイムリーだった。子供に対する悪質な教育や虐待は今でも続いているし、戦争や貧困に至っては悪化の一方をたどっている。これはそれら全てに疑問や反論を投げかけるロックミュージックの傑作と言えると思う。

8.15.2010

Rush 2010


先週の月曜日、マウンテンヴューのショアライン・アンファイシアター(野外劇場)であったRush(ラッシュ)のコンサートに行ってきた。大学在学中以来、常にチェックして来たなじみ深いバンドだ。彼らのライブを初めて観たのは1984年の秋、オハイオ州のデイトン。「Grace Under Pressure」というアルバムをリリースした時のツアーだった。

今年のツアーは、Rushの代表作、代名詞と言われるアルバム「Moving Pictures」を全編最初から最後まで演奏するというネタが組み込まれたもの。

Rushのファンは圧倒的に男性が多い。その理由はいろいろある。(1)レパートリーにラブソングが全くない。これは決定的。(2)ベーシスト/リードヴォーカルのゲディー・リーの歌声を嫌う女性が多い。(3)各バンドメンバーはそれぞれの楽器においてロック界を代表する優れた演奏家であるため、彼らに憧れる男の子/オッサンが多い。(4)サイエンス・フィクションや社会情勢にインスパイアされた歌詞が多く、それに共感するのが男性である事。しかもコンピューターナードもなぜか惹かれるらしい。

つまりRushはあまり女の子たちと縁がないロッカーキッズ、シャイで頭が良くて眼鏡をかけていて本を読むのが好きな男の子たち、どこかナード/ギーク指向な男の子たちが成長する過程でずっと聴き続けるバンド、のようである。

バンドメンバー本人たちも今年57歳。今も斬新な新曲を書いてレコーディングを続けている。ライブでも、バックドロップの大きなスクリーンに映し出された彼らの表情が実に楽しそうで幸せそうである。目玉の「Moving Pictures」も素晴らしい演奏だった。ファンはアルバムを全部丸暗記していて、歌詞はもちろんスネアの入れ方まで口で再現しながら聴いていた。

ニューアルバムとリリース後のツアーがまた楽しみ。

1.05.2010

Furthur

2008年の年末はどこへも出かけず、一人で過ごした。だから2009年の年末はどこかへ出かけて楽しく過ごしたかった。しかし、「Furthur」のショーが発表された時も特に関心は持てず、地元サンタクルーズで年明けを迎えたいと思っていたのだけれど、何も面白そうなものはない。さてどうしようかと考えていたら、12月30日のFurthurのチケットが余っているから行かないか、と大家さんが誘ってきた。ショー自体には余り期待は無かったが、彼女がサンフランシスコまで運転してくれるようだし、シアトルやポートランド、コロラドなどから来ている多くの友達と会場で会えそうだったので行くことにした。

これが大当たり〜!

1995年にジェリー・ガルシアが亡くなってからグレイトフル・デッドのメンバーたちが一緒に、あるいはそれぞれに多くのミュージシャンたちとコラボしてきたのだが、僕はその度にがっかりし、失望し、そして遂には諦めた。もはやグレイトフル・デッドの曲は演奏しても実際にはグレイトフル・デッドの音楽ではなかった、とも感じたりしていた。だから元デッドのメンバーたちによるショーよりも質の高いカバーバンド、例えばダーク・スター・オーケストラ(DSO)、を観に行った方が楽しかったのだ。

12月30日のショーはそんな僕の印象を一時的なりとも払拭してしまった。楽しくてずぅ〜〜〜っと踊っていたし、耳と感覚が音の方へと引っ張られていた。こんなことは久しぶりだ。ジェリーがいない「デッド」のこれまでのショーと比べて一体何がどう違うのか?そんなことはどうでもいいし、第一僕には分からない。ただ、今回のFurthurのメンバーが醸し出す音と雰囲気が、ジェリーがいたグレイトフル・デッドのそれに非常に近いと感じたことは確かだ。

30日のショーが楽しかったものだから、ショーが終わった会場内で友達数人に大晦日のショーのチケットが余っているかどうか尋ねてみたら数枚あることが分かった。その場で一枚譲ってもらった。

31日のショーも前夜と同じように楽しく、多くの友達と一緒に楽しめた。ということは、僕にとっては30日のショーだけが際立って良かったというのは当てはまらず、このバンドの今のメンバー構成が良いのだ、ということになる。

この展開は自分にとっては全く予想外のもので、最近の僕の音楽トレンドを知っている人たちも、僕が二夜連続でデッド関連のショーに行ったことについてとても驚いていた。

2010年、このメンバーで夏あたりに北カリでショーをやるのなら多分行くと思う。バークレーのグリークシアターなんかいいなぁ。

12.23.2009

2009年のベストアルバム

今年の僕にとってのベストアルバムを一枚に絞るのはとても難しい。今年リリースされたアルバムもあれば、2008年またはそれ以前にすでにリリースされていたものでも僕が今年になって発見したものもある。

それをご紹介する前に・・・

音楽業界では売り上げの継続的な下降が見られ、「深刻な状況」を心配する人たちも多いようだ。ダウンロード配信が上昇傾向にあっても全体的には横ばいか下降トレンドらしい。僕の立場から見れば音楽業界の連中から「心配だ」などとは聞きたくはない。単純に「いい音楽」が出ていないのだ。どんなに俗っぽくてベタな音楽(つまり「ヒット曲」というコンセプト)が大衆受けすると言っても、大衆側だって「いい」、「ふつ〜」、「ダメ」の区別くらいはつくだろう(と思いたい)。音楽業界、特に大手の連中がレベルアップしない間はこの状況は悪化しても良くはならないと考えている。

さて、僕の2009年のベストアルバム。まず2009年にリリースされたものから挙げると:



The Fieldの「Yesterday And Today」。スエーデンのストックホルム出身のアーティスト。2007年リリースの「From Here We Go Sublime」(これもとっても良い!)に続いて2009年にリリースされたこのアルバムは、前作同様ミニマルっぽい基盤に北欧特有のガラス細工や雪の結晶で覆われたようなサウンドが特徴。

もう一枚:



「Gold + Green」はテクノ界で最も注目されていると言ってもいい新人Architeqのデヴューアルバム。その独創的なサウンドと狂気のミックスでベテラン勢を唸らせたと言われている。こんなのもありなんだと思わせる作風で、今のところ何度聴いても僕には「分かる」まで至らない。

2009年になる前にリリースされたもので僕が今年発見したものの中では:



Evan Marcの「Emotional Ecology」。2007年にリリースされたようだが、その新鮮さはトラック1から最後まで全く失われていない。むしろ、ミニマルテクノとそのヴァリエーションが日本やヨーロッパ(アメリカではこのような音楽はあまり受けない)でヒートアップしているようだから僕みたいに後付けで見つける人も多いのでは。この人は他にも「Bluetech」のエイリアスでサイケ・ダブやアンビエントのアルバムを数枚リリースしている。が、やはりそれだけでやっていく事はアーティストとして困難らしく、ミニマルテクノっぽいクラブ向けの曲を別名でリリースし始めたと聞いている。

2010年も素晴らしい音楽との出会いがありますように・・・

12.11.2009

50男の物欲 2

コルグがDS-10 Plusの日本発売を発表して以来、アメリカでの発売を待っていたけれどもう我慢出来ないっ、ってことで任天堂DS iをこちらで購入し、日本からDS-10 Plusも。


これだけでこのホリデー休暇は退屈しない!と思うほど内容が充実している。老眼鏡でなければソフトの表示が見えない(汗)のだが、楽しいのだから仕方が無い。

僕の物欲なんて相変わらずこんなものだ。

7.10.2009

ハイシエラ2009 Part 2

初日のレイトナイトはUmphrey's。久々に観たこのバンド、ジャムバンドの仮面を被るプログレバンドだと思った。アンコールの直前に会場を出て就寝。

二日目はやっと午後からバンドを観始めた。Lubriphonicはシカゴ出身のR&Bバンドなんだけど、バンドメンバーが皆飛んでもない目立ちたがり屋で、それぞれソロの時など目立つことには嘘無し。それがむしろストレートで気持ちいい。メジャーなシンガーソングライターAni DiFrancoをチェックしたけれど、いかにハードでも弾き語り系は僕には響いて来ないな。で、この日のハイライト、Cornmeal。これもシカゴ出身で一応「ブルグラ系」なのだが、ジャムるジャムる!噂には聞いていたけれど、ぐんぐん引っ張っていく感じはヨンダーに似ている。しかもドラムスがあって踊れる。三日目のレイトナイトはビスコと決めていたけれど、もうちょっと聞きたかったから彼らのレイトナイトチケットも買ってしまった。ヴァイオリンの女性は楽器が彼女の体の一部であるかのようにしなやかにのびのびと動き回る。彼女のジャムは凄い。この夜のレイトナイトはALO。軽やかで楽しい。


三日目。ハイシエラが導入しようとしているインディーロック系のRed Cortezをチェック。最近はいろんなインディー系が出ているけどどのバンドも同じような感じでピンと来ない。賑やかなLeftover Salmonはメンバーを再編成して活動を再開した。彼らは楽しいのだけれど、ちょうどその時間にアポをとっていたマッサージのBGMとしては騒がし過ぎる(笑)。でもマッサージを受けた後、Fareedの自己のバンド、Fareed Haque and the Flat Earth Ensembleを観れたのは良かった。このバンドはタブラ、シタール、キーボード、ドラムス、ベースにFareedのギターという構成。いつもながら「なぜこの人の知名度が低いのか?」と考えてしまった。素晴らしい演奏で、セット中はほとんどのオーディエンスが座って聴いていた。その後はキモック。Steve Kimock Crazy Engineはこのフェスで観るからとそれまではショーには行っていなかったので初めて。JGBの曲よりもこのバンドのオリジナル曲を中心になったセット。キモさん、いい味出してました。ドラムスは彼の16歳の息子が頑張っていた。ねえさんが書いていたように、僕も彼のドラムスの方がロドニーのよりも好き。でもAlan Hertzには適わんよ。レイトナイトはビスコとCornmealを行ったり来たり。だけどCornmealがジャムっている時の方がモロブルグラやっている時よりも好きだった。Jerry GarciaとDavid Grismanがやっていた曲「Shady Grove」で凄いジャムを展開していた。


最終日。連夜のレイトナイトで疲労気味。動きもスロー。この日はどのバンドにも特にのめり込まず、夕方近くにVieux Farka ToureのアフリカンミュージックをBGMにまたマッサージを受ける。Wailersはボブ・マーレーの曲を忠実に再現していたけれど、Global Fusionの旅以来レゲエは今でも食傷気味。このフェスの野外の最後はビスコ。前夜Cornmealに重点を置いてみたためにこの日はほぼずっとメインステージのビスコで踊っていた。今までメインステージで2時間半のセットなんて無かったけれど、彼らはその長いセットを難なくこなしていた。だって2時間半の間に彼らが一息入れてチューニングしたのはわずか3回ほど。終わることの無いドラマチックな演奏が延々と続くのはいかにも彼ららしいな。

最終日はビスコで踊り過ぎた上にそれまでの疲れも重なってレイトナイトはパス。キモさんのレイトナイトチケットは友達にあげてしまって早々に寝床へ。爆睡。

不況に喘ぐアメリカでのフェス、今年は全国で行われているフェスの動員数が軒並み20%減なのだとか。ハイシエラも例外ではなく、土曜日のレイトナイトの前にファイアーダンスをやっている広場でたむろっている人たちもまばらだった。でも例年以上にチルだった。あのゆったりとした感じが北カリ本来のバイブレーションでとても良かった。


3枚目の写真はニーナの作。

来年、ハイシエラは20周年を迎えます。

追伸:誰かFareedを日本に呼んで下さい!Garaj Mahalかな、やっぱり。

ハイシエラ2009 Part 1

今年もハイシエラ・ミュージック・フェスティヴァルへ行った。

フェスへ向かう道中で果樹園直営店でピーチを買う。これも楽しみのひとつ。この果樹園はいろんな種類のピーチが熟す時期が違うので、わざわざカレンダーを作って、いつ頃どの種のピーチが食べごろかを知らせてくれる。


昨年に続き、同じ独立記念日の連休週末にハイシエラの20倍の動員数のフェス、Rothburyがミシガンで行われたため、ハイシエラでのラインナップは少々寂しい気さえしていた。オーディエンスの数は明らかに少ない。参加したバンドの数も少なく、以前メルトーンがアメリカデビューしたAmericana Stageは今年は無く、野外のステージは3カ所。

でも現地に着くとそんな事はどうでも良かった。むしろ、北カリフォルニア独特のチルでゆ〜ったりとした雰囲気がいつもより体感できた。食事もトイレも列が無く、ステージ前のスペースもゆったり。


初日はフェス初参加のKinakoさんを案内しながらサイト内をぶらつきながらDelhi 2 Dublin、Marco Benevento Trio、ALO、John Butlerなどをチェック。天気は晴れでジリジリ来る日差し、気温33℃、湿気なし。う〜ん、これぞ北カリのフェス!

6.28.2009

Saxophone

木曜日の夜はサンタクルーズのブルースバー、Moe's Alleyへ。シアトル出身のMcTuffというハモンドオルガンを軸としたトリオにSkerikが加わった形のばんど。ファンキーなジャズで踊れる。このメンツでハイシエラに出演するから再度チェックしてもいいかな。


金曜日はサニーベールに住んでいた時のご近所さんだったドイツ人夫婦と3人でサンフランシスコのYoshi'sへ。Yoshi'sは日本料理とジャズクラブのフュージョンでオークランド店とSF店があり、世界広しといえど名だたるジャズメンの演奏を聴きながら寿司を頬張ることができるのはここだけ(だと思う)。


その夜はジョン・コルトレーン愛弟子、ファラオ・サンダースのカルテットにタブラの第一人者ザキール・フセインが加わるという一大事。だけど、ジャズのグルーブとタブラって合わないと思った。

二本の素晴らしいワインをブレンドしても、そのブレンドが必ずしもオリジナル以上に美味しいとは限らない、というところだろうか。

-- Post From My iPhone

6.22.2009

久しぶりのSF

金曜の夜はサンフランシスコへ。友人四人がやっているバンド、Five Eyed handが他のバンドの前座を務めるというので応援に行ったのだ。久しぶりのSFは強風に見舞われて寒かった!いつもの事なんだけど。

その夜はアランという友人宅に泊まり、土曜日は午頃からHaight-Ashburyを散策。Lower Haightに車を停めて、Upper Haightまで急な坂を上って行く。


夕方近くからMill ValleというGolden Gate Bridgeの北に住む家族が開く「夏至パーティー」へ。ちょっとアブないけど運転中にiPhoneでGGBを撮ってみた。


音学好きの友達が集うパーティーは、笑い声が絶えない大家族のように楽しくて和める。

-- Post From My iPhone

6.14.2009

なぜかMSG

一昔前のギターキッズだったら憶えているでしょう、この人。アルコール中毒と戦いながらもハードロック、ヘビメタで金字塔を打ち立てたマイケル・シェンカー。かつては武道館でのコンサートを二枚組アルバムでリリースしたこともあった。






特に興味があったわけじゃないけど、友達がゲストリストに入っていてタダだったのと、ヴェニューがなぜかサンタクララで職場の近所だったので便乗してしまったわけ。

ヘビメタ系のショーって1999年にブラックサバスのリユニオンに行って以来のこと。写真でもお分かりのようにベースとなっていたオーディエンスの年齢層は僕とあまり変わらないハゲかかったオッサン、やたら巨乳の30〜40代の女性ヘッドバンガーたち。20代の人たちは数えるほどしかいなかった。もっとも、オーディエンスの数は多分300前後だったけど。

マイケル・シェンカー・グループ(MSG)で僕が知っていた数曲、あとは70年代のUFO時代の名曲、「Rock Bottom」でジャムってくれたのが楽しかった。

55才のオッちゃんがヘビメタ?という声もあるだろうけど、ジェフ・ベックだって今年65。マイケル・シェンカーなんか若い方(笑)。ギターも相変わらずクリアでメロディックなストレート派、しかも決める時は決める。熟練工という印象だった。

チケ買ってまで行くか?は疑問だけれど、行ったら案外楽しかった一夜だった。


-- Post From My iPhone

3.03.2009

STS9 @ The Fillmore

アトランタでのニューイヤーズをキャンセルしたのはこのフィルモアでの4ショーの日程がアップされたから。南部と言ってもアトランタの冬は寒い。めっちゃ遠いし・・・金曜日は休みを取って木曜日の夜からサンフランシスコに滞在。

木曜日はほぼソールドアウト、もしかしたら当日完売になったかもしれない賑わい。金・土はずっと前からソールドアウトになった。さすがに日曜日はゆったりとスペースがあるだろうという予想だったけど、ショーが始まる頃にはフロアはかなり混んでいた。

日曜日以外は新曲におなじみの曲を混ぜ込むという感じのセットリスト。古い曲に新しいサウンドとアレンジを吹き込んだ演奏に時々新曲を入れたショーは日曜日。以前からのファンが喜びそうな。

4夜ともにDJが一人ずつオープナーを務め、バンドのオープナーは無し。なんかその方がすっきりして良かった気がする。最初の3ショーは2時間を超えるワンセットをマルチのアンコールだったのが、日曜日だけは2セット+1アンコールのフォーマットだった。いろいろ変えて試しているんでしょう。

試すと言えば・・・ステージでの彼らのポジションが一掃されて新しいステージフォーマットになった。ザックはステージ向かって左側、ジェフリーが右側でそれぞれかなり高い位置にプラットフォームを組んで観衆を見下ろすような感じ。マーフィーも左に移動、ザックのドラムスの麓に。ハンターはジェフリーの前に。そしてフィップスがステージ中央に位置し、しかもオーディエンスに向かって演奏する形になった。フロアからガンガン弾きまくるフィップスの顔を正面に見ることが出来るのは・・・いいねぇ〜そしてライブペインターのクリスとジェイはステージの両端に陣取っていた。かっこいいフォーマットだ。

だけどこれはただフォーマットを変えただけじゃなくて、その背後にはオーディオ関連のいろんな理由があるらしい。サウンドが違う。前に比べてかなり澄んだ音になったような。ヴェニューによっては音量が高過ぎることもあったベースもうるさ過ぎず、しかも効果的。ジェフリーのパーカッションやフィップスのキーボードがより鮮やかに聞こえた。

もう一つ、バックドロップがアトランタのニューイヤーズの写真で見られるようなスクリーンになっていた。投射ではなくスクリーン自体がピクセルの集合体のもの。他の照明が消えてこのスクリーンがオンになる時はバンドメンバーがシルエットになって絵になる。

知らない曲、つまり「Peaceblaster」にも入っていない曲が聴けたのは金と土。一番客数が多いこの二晩にそういう曲を持ってくるというのはいかにも彼ららしい。ダークでヘビーなビートとベースにギター、シンセ、サンプリング、エフェクトがかぶさるのはずっと前からの試みだけど、いつも新鮮で斬新で意外性に富む演奏だという点は感心してしまう。アレンジにアレンジを重ねて「自作のリミックス」のようになってきた古い曲でもそれは同じ。イントロ聴いても分からないものもあったり。

フィップスはアナログ・モジュラー・シンセのスタックとmonomeを導入。あの人、何台シンセ持ってんだろ?キース・エマソンとかリック・ウエイクマンのステータスに近づきつつありますよ。あんなにエキサイトして動くフィップスは今まで観たことなかったな。それとも正面を向いたから観れるようになったのか?

金土共にソールドアウトだったのに、観衆の反応がイマイチ。不思議なのは、曲の途中ではみんなガンガン踊りまくっていて叫び声も挙げるほど興奮しているのに、曲が終わると静かになってしまっていた。あまりにも凄い演奏に言葉も出ない、という感じでもなかったし。パーティーし過ぎだな、あれは。あるいはセットブレイクがあると無いとであんな風に違うもんなんだろうか。木と日は、客のほとんどがこのバンドにハマってる人たちばかりだったようで、反応の質がもっと良かったように思う。

やっぱりこのバンド、本物。最高だわ。

ちなみに、ジェフリーに娘「ルビー」誕生。ザックは婚約したし、ジェイも今年結婚する。フィップスの娘「アヤナ」ももう2歳。だってあのザックが今や30歳ですよ。みんな大人になってますね。バンドメンバーも、クルーも、それをサポートする「ファミリー」もみんな素晴らしい人たちだ。若くてポジティブでクリエイティブで愛がこもったバイブレーションを持っている。音楽を通じてだけじゃなくて、家族生活面でもユニークなコミュを形成している。ただ音楽だけじゃない。総合体として感心してしまう。そんなコミュニティーに加えて頂いているだけでもインスピレーションを浴びることが出来る。今の僕にはとても有り難い。

幸せ。

1.28.2009

50男の物欲

クリスマスと50の誕生日があった12月、eBayで新品同様のNintendo DS Liteを約$75で買った。しかも赤:


ゲームには全く興味はないが、これ↓には多いに関心がある:


このシンセのためだけにNintendoのゲーム機を買っちゃったわけだ。なぜ新品同様のヒット商品がオークションに出ていたのかは、遅まきながら数日後判明。Nintendo DSiという新しいモデルが日本で発表されたからだ。

で、その時点で仕事始めまでにはまだ一週間も残っていたものだからマニュアルを片手にいろいろやってみたところ、これがめちゃくちゃ楽しい。手にして二日目には、いっちょまえに3つほど異なるビートの「曲」が出来た。最初は可愛くチージーなハウス。次はヘビーなヒップホップでBoards of Canadaみたいなヨレヨレだけどキレイな音色がかぶっているもの。3つ目はギトギトのアシッド。これをCDプレーヤーのAUXにつなげて音量を上げて聴いてみたら・・・結構かっこいいじゃん!

デッドヘッズの大家さんは変な顔をしていた。

2009年の仕事始め。職場にいるジャパニーズカルチャー(オタクカルチャー、漫画、アニメ、ラーメン、コンビニ、ジャンクフードなど)にハマっている20代半ばの白人兄ちゃんに見せたら、「あ、それボクも持ってる」だって。この野郎っ。何でも持ってやがる。早速次の日マルチプレーヤーモードでランチを頬張りながらジャムる。かなり楽しい。が、その後多忙モードに入ってしまい、しばらくこうして遊ぶことも出来なくなってしまった。

しかしこれって・・・50歳のオッサンがやることだろうか?ま、いいや。現在YouTubeでいろんなトリックを勉強中。

12.26.2008

グレイトフル・デッド・コレクション@UCSC

1965年以来蓄積されて来たグレイトフル・デッドにまつわる文書、音源、写真、ポスター、フライヤー、シャツ、その他さまざまな記念品のコレクション。この膨大なアーカイブが、カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)によって保存、管理されているのはご存知だろうか?

2008年4月24日、グレイトフル・デッドのオフィスは彼らが今まで自分たちで管理してきた膨大な記録をUCSCに寄贈し、管理をゆだねると正式に発表した。それ以来、UCSCの図書館では寄贈品のカタログ、分別、保管、記録、分析を行っている。この活動は「デッド・セントラル」と呼ばれる特別な部屋で行われているそうだ。

デッドとUCSCの関係は、メンバーが参加している団体などがそれぞれの関心に基づいた理由で大学に寄付してきたこともあって密接なものと言って良いかもしれない。ボビーが育んできたRex FoundationとフィルのUnbroken Chainが音楽学部教授のフレッド・リーバーマンを通じて作曲家Lou Harrisonのアーカイブ保存のために寄付したそうだ。また、リーバーマン教授はミッキーの著作「Planet Drum」と「Drumming at the Edge of Magic」の共著者でもある。

この発表を機会に作られたのが、前回にご紹介した「バナナ・スラッグ」のキャラを使った記念T−シャツ。その名も「グレイトフル・スラッグ」。こんな感じだ:

大学のブックストアで売っているし、オンラインでも買える。お値段は$19.99。海外への発送は可能かどうか不明。以下で:

http://tinyurl.com/9599yv

デッドが寄付した彼らの歴史がここサンタクルーズにある。いつか展示会が開かれるのだろうかと楽しみにしている。

12.17.2008

ニューイヤーズ

アトランタで行われる恒例のSTS9のニューイヤーズランへ行こうとプランしていたのだが、昨日STS9はウインターツアーの日程を発表し、ツアーの始めにSFのフィルモアで4夜連続でショーがあるということが分かったので、急遽予定変更。アトランタ行きは取りやめ、予約は全てキャンセルし、フィルモアでの4ショーパスを買った。

これでこの年末年始はどこへも遠出しなくてすむ。しかも断然安上がり。

フィルモアでのショーは2月26、27、28、および3月1日。日本から誰か来ないかな?

ってことはニューイヤーズはフィルとボビーか?まだチケも何もないけど。

例によってSFのニューイヤーズはいろいろある。Zappa Plays Zappa、George Clinton & P-Funk、Les Claypool、Phil Lesh & FriendsとBob Weir & The Ratdog、そしてThievery CorporationがヘッドライナーのSea Of Dreamsなどなど。どのイベントもまだソールドアウトしていない。この経済じゃみんな考えてしまうのだろう。ニューイヤーズのチケットは高い。

経済と言えばいいニュース無し。かなり厳しい状況。それでもクリスマスの飾りは思ったよりも多くの家で灯っている。

We will survive...

12.12.2008

2008年のベストアルバム

2008年のベストアルバムはGaraj Mahal(ガラジ・マハル)の「w00t」。

ばりばりのフュージョンジャズ。1970年代、僕がまだ高校生だった頃にジャズ喫茶で聴きまくったエレクトリックなマイルス、ウェザーレポート、ハービー・ハンコック、リターン・トゥ・フォーエヴァー、マハヴィシュヌ・オーケストラなどのサウンドとテクが凝縮されてグローバルにアップデートされた作品。エレクトリックフュージョンジャズの中でもリターン・トゥ・フォーエヴァーとマハヴィシュヌ・オーケストラを連想するなぁ。

最近、ガラジにはメンバーチェンジがあって、長年力強いビートをキープしていたアラン・ハーツに替わってショーン・リックマンというドラマーが参加したんだけど、このアルバムでは全編アランがドラマー、作曲、アレンジで参加して有終の美を飾っている。

圧倒的なパフォーマンスです。凄い。

ガラジのショーは通常とても小さなヴェニューで観ることが出来るのだけれど、そうそうたるミュージシャンの演奏を目の前で観れる反面、なぜこのバンドがもっと注目されないのか、ショーに行くたびに首を傾げている。テクニカル過ぎるバンドはあまり人が来ないと言われているけど、彼らの音楽は踊れる音楽だと思うし、コミカルなところもあって楽しめる要素はいろいろあるんだけど。

ちなみに、ショーン・リックマンはベーシストのカイ・エックハートの友達。ということは自動的に超テクのミュージシャンなんだが、個人的にはアラン・ハーツのドラムの方が好き。歯切れよくパワフルなアランに比べてショーンのドラミングは歯切れはいいし、黒人独特の粘ったさもある一方で、音が軽いのと手数が多過ぎるように思えるのが個人的にはちょっと・・・ただ、ショーンは歌えるドラマーでもあるので、初めてこのラインナップで観たときは「黒人が歌うロック」のヴォーカルを披露してくれた。これまでのガラジとはそこが大きな違いで、ショーの選曲にもバラエティーが出てでくるんじゃないかな。

来年早々、1月8日にサンタクルーズのMoe's Alleyでのショーが楽しみ。