ラベル アメリカ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル アメリカ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

4.23.2021

ワクチン接種管理システム:米国と日本

4月5日、1回目のワクチン接種を受けた。モデルナ製だった。2回目はモデルナ製ワクチンのスペックに従って自動的に4週間以内である5月3日と決まった。意図されたワクチンの効果は2回目の接種後、約2週間で定着するとされる。


カリフォルニア州中部の太平洋沿岸の町における1回目の接種を受けるまでの流れは:

  1. ワクチン接種対象枠に含まれる
  2. 予約
  3. 本人確認&登録
  4. 接種当日、窓口でチェックイン
  5. ワクチン接種(接種後15分間の体調確認)
  6. 2回目の接種自動予約完了
  7. 体調チェック確認メール

となっている。


各項目を説明していこう。

⒈ ワクチン接種対象に含まれる

カリフォルニア州では最初の該当者は医療従事者、医療機関や個人経営クリニックなどのスタッフ、そして警察、消防などのインフラ系従事者だった。ご存知のように、米国ではちょうどこの時期に政権交代があり、バイデン政権になって以降は本腰でワクチン接種を推し進めたおかげで進行は急速化する。

その後、65歳以上の高齢者及び基礎疾患がある者が対象となった。

4月1日に50歳以上の全てのカリフォルニア州民が対象枠内に加わり、4月15日から16歳以上の全てのカリフォルニア州民が対象となった。現在は「ほぼ成人枠」で進行中である。


⒉ 予約

オレは50歳以上の枠内なので、4月1日の時点で予約出来るようになったため、その日の朝、約1時間ネットに張り付いて予約をすることが出来た。

予約は対象となる人口の大半がオンラインで行っているようだ。高齢者や障害者たちは親族や知人が代わってオンライン予約するか、主にオンラインに弱い人たちを対象とした電話による予約が可能である。

予約システムはコンサートやイベントのオンラインチケット予約販売システムと似通っているという印象で、普段コンサートやライブのチケットを買い慣れている自分にとって特に違和感は無かった。ただし、この場合は競争率が高く、まるで5万人収容のスタジアムでのU2やQueenやテイラー・スイフトのコンサートの最前列中央の座席を取り合うような様相を呈しており、パソコン画面に複数のウインドーを立ち上げ、それぞれを再読み込みしまくってようやくワクチン予約をゲットする、という感じだった。

予約のために記入する情報は:氏名、生年月日、年齢、性別、人種、アレルギーの有無、基礎疾患の有無、基礎疾患がある場合はその内容、健康保険の有無とその内容、などである。

現在は人口が最も多い年齢枠の予約に対処しているところだが、ワクチンの膨大な供給量に支えられて競争率もそれほど激しい高みには達していないと思われる。なんせ米国全国で一日に400万件の接種が行われているという機動力である。


⒊ 本人確認&登録

予約が4月5日と決まった後、接種日の前日にメールで本人確認と登録を促される。本人確認には身分証明書カードの表裏と健康保険証カードの表裏の写メをアップロードする。これにはスマホでそれぞれのカードの両面を写メで撮り、指定のサイトの指示に従って完了する。

登録は前項で提供した個人情報を再度入力して同じサイトから送信する。

その結果、スマホの「お財布アプリ」、オレの場合はiPhoneの「ウォレット(Wallet)」アプリにワクチン接種1回目の電子チケットがCRコード付きで放り込まれて来る。これは日本の「接種券」に相当する。

接種当日はこれを提示し、CRコードをスキャンしてチェックイン完了とされる。


⒋ 接種当日、窓口でチェックイン

指定された接種サイトは車で5分もかからない近くの中学校のジム施設だった。入り口に近づくと、書類とペンを渡され、再度上記のような登録情報を手で記入した上、署名して提出し、接種の順番を待つ列に付く。

チェックインはパソコンを操作しているスタッフに電子版の接種チケットを提示し、スタッフがCRコードをスキャンして終了。ワクチン接種を行っている複数のブースの前に並んで順番を待つ。


⒌ ワクチン接種

ワクチン注射接種は1秒で終わる。チクッとさえ感じない拍子抜けする程の工程である。接種が終わると、米国CDCのロゴを載せた記録カードを手渡される。そのカードには指名と生年月日、ワクチンの種類と生産データ、接種日と接種時刻が記録されており、2回目の接種の際にはそれを持参せよとの事だった。

接種をしてくれたスタッフがジムの片側に広くスペースを確保した座席エリアを示し、15分座って安静にして接種後の体調確認を命じられる。ワクチンへの極度の副作用がある場合は、その間に発覚する傾向があるようだ。

異常がなければその時点で帰宅を許される。


⒍ 2回目の接種自動予約完了

ワクチン接種後、スタッフから2回目の接種予約が自動的に完了しており、その接種日を知らされる。もちろん、医療機関側のシステムにはその予約は既に入力されている。

現行ワクチンのうち、ファイザー製とモデルナ製ワクチンはそれぞれ3週間以内、4週間以内に2回目を接種するという仕様が定められているため、それに従って自動的に次の予約をシステム側から提示されるという流れのようだ。


⒎ 体調チェック確認メール

帰宅後、その日の午後に医療機関から携帯メールでリンクが送られて来た。そのリンクを開くと、医療機関のウェブサイトのページが表示され、現在の体調、体調が悪い場合はその症状、頭痛や微熱・悪寒の有無、疲労感、倦怠感、関節痛、注射を受けた局部の痛みなどに関するアンケートに答えて提出する。

この体調チェック確認メールは、同じものが接種日当日を含めて10日間毎日一度送られてくる。接種日から10日後、このメールは停止されたが、そのさらに10日後、この体調チェック確認メールが届いて、上記と同じアンケートに答えた。予想では前回の確認メールから1週間から10日後に再度アンケートが送られて来ると思われる。

これはおそらくワクチン接種後の体調や副作用に関するデータの集積の一環であると思われる。変異株が多種発生している状況があり、現行ワクチン関連のデータを蓄積していくと同時に変異株にも対応するであろうワクチンのアップグレード版の研究データとしても役に立つであろうと考えられる。

来る2回目の接種でもほぼ同様の流れになると予想される。


ワクチン接種管理システム

このワクチン接種の流れを体験して考えたのは、ワクチン接種の対象枠に加えられた時点から接種後の体調確認メールのやりとりに至る工程が全てシステム化されて、ワクチン接種を受ける米国在住者、各州住民の膨大なデータが蓄積されデータベース構築が為されているのだが、現在に至るまでのシステムがいかに迅速に開発され、動作確認もおそらく行われていたか、という点である。

思い起こせば、「米薬品企業、コロナワクチン開発中」というニュースが流れ始めたのは昨年2020年夏から初秋にかけてであった。当時のトランプ政権はおそらく「あくまでもビジネスの観点から」米国企業によるコロナワクチンの開発を評価し、資金の援助も行った。

複数のワクチン開発が進み、2020年年末には米国政府による緊急承認がなされ、同じく年末から今年の年明けにかけての時期に医療従事者へのワクチン接種が開始された。

つまり、コロナワクチン接種の工程に沿ったシステムはそのわずか数ヶ月間で開発されていたことになる。このシステムはオレが知る限り、米国全土をカバーする全国的なシステムではなく、各州の医療団体がその州の法律や条例、州独特のコロナ対策などに沿って設計、開発されたものであろう。米国では州によって法律や条例、コロナ対策の手法が異なるからである。

とすれば、それぞれの州や医療機関などで個別のシステムがその短期間に開発され、立ち上げられたことになる。

3〜4ヶ月間に、これらのシステム開発が同時進行していたのには驚く。もっとも、どの州や医療機関のシステムも全くの白紙から開発された訳ではなかろう。既存の医療システムや、果ては前述のようなコンサート・イベントチケット予約・販売システムから必要な部分を再利用し、コロナワクチン接種に特化した部分を開発して組み込んだのではないかと想像がつく。

ワクチンのオンライン予約は当初は希望者が殺到して予約をゲットするのは困難であった。それでも多数のアクセスの負担によってシステムが落ちてダウンしたという知らせは現時点では聞いたことも自身が経験したこともない。工程はすこぶるスムーズであった。

その迅速な開発と動作確認の実行もさることながら、既に変異株への対応に向けて各ワクチンのアップグレード版が研究・開発されているであろうことは想像に難くない。

米国の主要医療機関や生物学者の間では、このコロナウイルスによるパンデミック傾向は世界的に今後数年続くとの予想が主力である。ワクチン研究・開発・販売を担う薬品企業の一つ、ファイザーは、今後数年間はコロナワクチンを毎年接種する事が必要となろうと予測している。もっとも、ワクチンで収益を上げている企業が言う事であるから、宣伝要素も少なからず意図されていると思われるが、一方では今後数年間の継続的ワクチン接種の必要性は否定出来ない。

米国では数億人分のワクチン接種データが集積されてデータベース化され、後にいかようにも検索出来るようになるであろう。また、「ワクチン・パスポート」と呼ばれるワクチン接種を完了したという証明書が正式に発行されれば、パンデミック渦中での空港や公共施設への入場の際に役に立つであろう。

現時点では、しかし、米国政府はさまざまなセキュリティー関連の対処が困難を極めると判断し、正式にはそのようなワクチン接種証明書を米国政府主導で発行することはないという見解を示している。

それにしても、ワクチン接種を毎日300万件から400万件行い、同時に既に開発されて作動している管理システムを用いて将来のワクチン開発や副作用の研究などを継続的に行ってゆくための術が既に存在し、むしろ必要不可欠なものになっているのを目の当たりにすると、米国の国力と機動力には感心せざるを得ない。


日本の現状

さて、日本における状況はどうか。前述のようにコロナワクチンの開発は複数の薬品企業が昨年夏から秋には治験が可能なレベルまで捗っていた時点で、各国の政権やリーダーたちが有能であれば、既に「ワクチン外交」を始めていなければならなかった。が、日本政府はその初動をほぼ全くしなかったのであろう、今になって、しかも日本国内における「第4波」が認識された時点でワクチン確保・入荷に躍起になるという体たらくである。

現時点で国民100人あたりのワクチン接種の1回目は、日本ではわずか1.9人で、2回目を接種して今年分のワクチン接種を完了したのは人口の0.7%にしか過ぎず、日本という国が先進国とは呼べず、無能な衰退国としてしか見えないのが現状である。

日本政府と官庁役人がワクチンの確保・入荷にやたら躍起になっている間、このようなワクチン接種管理システムは開発されているのだろうか。少なくとも考案されて、設計段階に入っているのだろうか。

日本の権力者たちの動向を見るにつけ、そのようなシステムが同時進行で開発されていると想像するのは非常に困難である。なにしろ、東京五輪に備えた70数億円をかけたインバウンド用の感染者接触探知システムさえ全く作動せず、他人事のように放置されていた訳だから、米国で行われたシステム開発に携わる能力を、日本政府が確保して仕事をさせているとは考え難いのだ。例えそのようなシステムを開発出来るとしても、動作の質やセキュリティーの面で世界レベルに達するとも思えない。

【訂正】このエントリーを書いた後、複数の国産ワクチン接種予約システムと日本マイクロソフトがワクチン接種管理システムを開発していたという事実を知った。前者の国産ワクチン予約システムは、稼働開始後に27万件の個人情報の漏洩が発覚した。他の国産ワクチン接種予約システムは予約希望者のアクセスが殺到してシステムダウンしている。一方、日本マイクロソフトはあくまでも米国籍企業の日本支社であるため、Amazonクラウドに国家機密データを丸投げするのと同じ国家的セキュリティーの脅威となり得る可能性は秘めている。

また、たった150人ほどの接種希望者の予約を扱うにもシステム上の問題が発生し、すでに混乱しているワクチン予約・接種の進行を妨げ、更なる混乱を生んでいる。再度言うが、このような不都合や混乱がわずか150人程度の応募者で発生している。

東京に住む知人から聞くところによれば、日本では「国民全員を対象とする制度を施行する際は紙媒体を使う」らしい。誰も取り残さない、という言わば矜持のような名目がその利用なのであろう。事実、ワクチンの「接種券」は郵便による郵送で各一般市民に送られて来る紙媒体だと言う。本人確認や登録もおそらく紙媒体に手で記入し、後にそれがようやくシステムに入力されるのであろう。その紙媒体による登録やワクチン接種記録は施設や団体間でFAXや郵送や手動の配達によって行われるのだろう。

実家がある京都府の対応は自治体の中でも酷いらしく、予約システムがダウンした事への対応として「接種券」に加えて「予約券」なるバンドエイド的な代物をばら撒いている有様である。対象者は現在高齢者層であるが、高齢者にこのような複雑な工程を押し付けても収拾がつかないであろうことは容易に想像がつく。

日本のワクチン状況は予約の時点で混乱を極め、日本のアナログ体質を浮き彫りにしている。それも、上記のような工程上の理由と、政治家や役人の保身願望による「アンチ・デジタル」傾向が背後にある。つまりデジタル化による「自動化」によって、国と自治体の政治家や役人の仕事、肩書き、役職が脅かされる可能性があることへの恐れの現れである。

完全にアナログの世界である。

ちなみに、カリフォルニア州の人口はおよそ4000万人である。システム上の問題は現時点では聞いたことが無い。


日本における国家レベルシステム

2020年2月、日本政府は国の機密情報や国民の個人情報を含む「国家データ」の管理やバックアップ保存を日本国籍の企業ではなく、米国企業であるAmazonクラウドに丸投げした。加えて、つい先日、日本のスマホ人口の大半が使用しているとも考えられるLINEの個人情報が委託開発先の中国企業から丸見えになっている事実が発覚し問題視された。

上記のように、コロナワクチン接種関連のデータはほぼ全てが各国の一般市民の個人情報である。従って、当たり前過ぎるほど当たり前の事なのだが、Amazonクラウドや中国企業に筒抜けになるような誤りは許されない。つまり、このコロナワクチン接種管理システムは「日本国内の人材とアセットだけを用いて国内で開発されるべきもの」なのだ。今の日本にそれを短期間で達成する能力はあるのだろうか?オレはそんな能力や人材は無いと見ている。

技術大国とも呼ばれた日本は30年ほど前に消滅した。現在は東南アジア諸国と同レベルかあるいはそれ以下であろう。「デジタル庁」などは全くお話にもならず、構想の時点で既に失敗している。なんせデジタル庁のトップは国会開催中にワニ動画を観て喜んでいた薄らバカである。そんな奴に一体何が出来ると言うのか。そもそもデジタル庁の実際の目的は、体の良い「マイナンバー」なるものを逆手に取り、中国共産党中央独裁政府が推し進めている完全な国民監視システムであって、国民が利用出来、恩恵を受けるようなデジタル的システムではない。そもそもそのような国民監視システムを日本で日本の人材とアセットを駆使して構築するにはハードルが多過ぎ、高過ぎる。下手をすれば海外企業に委託開発させるのではないか、などと勘繰ってしまうほど期待度、信頼度は低い。

問題は、今後数年続くであろうと想定されているこのパンデミック傾向にあって、日本のアナログ体質が改善・刷新されるのであろうかという点である。今年の現行ワクチンについては既に時は遅く、ウダウダの手動方式で大量の紙媒体と奮闘することになるであろう。数年後にはちょっとはマシになっているのだろうか?

ワクチン、ワクチンと騒ぐのは、それが世界的傾向であるのだから十分理解出来るが、それだけしか見えず、その工程を管理し、その工程から得られるビッグデータを用いて将来を見つめるという見地どころかその必要性の認識さえ今の日本には欠如しているように思われる。

無能な日本政府がその希少な能力に見合った事が出来ると思われるのは、日本の国際空港や港における入国審査で、「海外で既にワクチン接種を完了した渡航者」の扱いを再考して、日本への入国者は単純に誰でも彼でも2週間の隔離を義務付けられるという理不尽な扱いを改善することくらいであろう。

もっとも、新型コロナウイルスが日本国内で蔓延し始めた際の初動さえまともに実行出来なかった日本のことである。入国審査での渡航者の扱いが適切にタイムリーに行われるということさえあてにならないと予想せざるを得ない。

現行ワクチンの接種と変異株に対応するワクチンのアップグレード版(「ブースター、Booster」と呼ばれる)の研究・開発・治験は、日本の外では急激に加速しており、海外特に先進国からの日本への渡航者はその大半が現行ワクチンに関しては接種完了している状況となろう。世界は日本のはるか先を進んでいるのである。


3.31.2016

サンフランシスコベイエリア不動産事情2016

2015年4月末のデータだが、サンフランシスコ市内(「ベイエリア」は含まないということになる)の家賃の平均4225ドル(現在のレートで45万円相当)だとツイッターで見た。一戸建ての値段は今や一軒1億以上で、それ以下では良いご近所さんとは言えない環境のものしか無い。しかも売りに出てわずか一週間後には売値に東京郊外で新築マンションがキャッシュで買える程のプレミアが着いた上で売れてしまう。あれから丸一年経ったが、その「平均」はさらに高くなっていると思われる。あれ以来、特に「バブルがはじけた」とか「〇〇が不調」とかは一切耳にしないからである。

断っておくが、オレは不動産屋でもその分野に詳しい訳でもない。この地域の住民の一人に過ぎない。が、こうやってのんびりとブログ記事を書く事が出来るのも月々の家のローンが8万円だからなのだろう、と思っている。2008年のいわゆるリーマンショックの影響で自宅の値段は約30%落ちたが、現在は買値の30〜40%増しの値段で売れるようだ。売って別のご近所さんでもっと良い家に住みたいと思うのはやまやまだが、到底アフォード出来るものではないからじっと今の家に居るつもりである。

不動産企業で働く知人によればこの地域における中国人による不動産の爆買いは収まってきたらしいので、単にあの連中が市場を高騰させているとは言えない状況のようではある。が、一戸建てからコンドミニアムのお値段から一般賃貸物件の家賃に至るまでこの地域の居住費はアメリカ国内で群を抜いて高いという点には変化は無い。

こういう状況下で生活していると、毎年帰省する際、例えば東京の世田谷区の2LDKのアパートの家賃が25万とか聞くと「めっちゃ安いやん!」と思ってしまうのだ。うっかりそれを口にしてしまうと、「またまたぁ〜 Tさんはシリコンバレーの一流企業でバリバリやっておられるからぁ」と冷やかされるのがオチなのでなるべく会話ではその話はしないようにしている。実際はこちらでの給料がどうのこうのではなく、こちらでの不動産事情、居住事情がやたら高く、そんな中で日常生活を送っているからだけなのだ。

ある意味、こういう経済感覚を持てるのは有利である。物価や居住費が高いニューヨークやヨーロッパの主要都市へ行ってもそう大して驚く事もなく、割と普通に旅が出来る。日本へ行けば東京を含めてどこでもそれほどの帰省コストを懸念しなくても済む。

逆に日本からこの地域へ旅行に来る人たちにとっては大きな負担になるだろう。さらに大学留学となると、不動産同様に高騰を続ける大学の授業料(これは現地のアメリカ人の親たちにとっても大きな頭痛のタネになっている)以外に法外とも言える家賃の心配もしなければならず、実現が遠のく方も多いのではないだろうか。

ではこのトレンドはこれからどうなるのか。このバブルもいつかははじける。それが何が原因でどのようにもたらされるのかは全く不明だ。この地域のローカルサイトなどでは家賃5000ドルも出てきている。しかもごく普通に。考えられるのは中国経済の失速と(起こって欲しくはないし、あってはならない事なのだが)テロや戦争の影響、などが人為的な原因として可能性がある。あるいは天災であろう。アメリカからカナダにかけて西海岸は大地震がいつ起こっても不思議はないとされているから、先ずそれが頭に浮かぶ。

前述の不動産企業に居る知人は2017年は経済市場の低迷が予想されると言ってはいるが、さて、どうなる事か。

7.14.2014

サンフランシスコベイエリア不動産事情2014

 2012年以来、サブプライムローン崩壊後のアメリカ不動産市場は失われた地盤を回復させた。’14年半ばの現在、サンフランシスコベイエリアはまたもや不動産バブルの真っ最中と言って良い。

 こちらで市場のトレンドを探る上で基本となるのはSingle Family Home、つまり一家庭が住むための単独家屋である。自分が住むカマボコ形式の家屋、タウンハウスやマンション/コンドミニアムは、ニューヨークシティーなど大都市内の特別な環境の他は重要視されないのが普通だ。今までもサンフランシスコ市内の一軒家は「一軒一億円」の定番レートを下らないどころか一軒屋は一億円では全く足りなくなってきている。パロアルト、マウンテンヴューなどサンフランシスコ湾の南側一帯、シリコンバレーでも一軒一億円は普通だ。

 サブプライムローン問題は手軽に、簡単にローンを組む事が出来るよう細工された事が制度の弱点となったため、現在のローン受付の審査は厳しいものとなっている。買値の40%以上が頭金として必要となる。これはさすがにバブルではないか、と感じるのはそのような高価な不動産物件をローンを必要としないキャッシュ買いで片付けてしまうバイヤーが多いと聞く事頻繁だからだ。つまり一億の家をそのまま一億払って自分の持ち物にしてしまう人が増えているのだ。

 どんな人がそんな家をそんな買い方で買っているのか?普通の人、普通の家族である。その背景にはシリコンバレーがある。単純に一億円の家をキャッシュで買える人たちの数が多いのである。膨大な資本、株マネー、ベンチャー投資などが循環するという土地柄である事、シリコンバレーでは共稼ぎでしかも夫婦二人ともそこそこの年棒を貰っている家庭が非常に多い事、さらに昨今のシリコンバレーの景気自体が上向きである事、中国バブル崩壊避難対策のため中国の新興富裕層によって注入される保身的投資が大きい事などが挙げられる。

 このようなサンフランシスコ周辺の不動産の高騰も、アメリカでもっとも高いと言われるニューヨークシティーには及ばず、現在もアメリカで2番目に高い地域である事に変化は無い。しかし賃貸物件市場となると、どうやらサンフランシスコ市はニューヨークシティーを凌ぐアメリカでもっとも高い街となったようだ。

 ではサンフランシスコ市内のアパートはどれほどの家賃で住めるのか?現在、敷地内/屋内では洗濯も出来ず、洗濯物をバッグに詰めて最寄りのコインランドリーへ行かなければならず、自分の車を常に駐車出来る指定駐車場が無いため毎日違った場所で路上駐車を強いられるような1LDKのアパートで3500ドル、約35万円だと言われている。部屋の中や敷地内での洗濯や駐車場が無い上、所在地の周辺の治安が良いとは必ずしも言えないような環境である。FacebookやTwitterなどの本社があり、ベンチャー企業も急増中で、大手企業も大勢のスタッフを擁するオフィスを構えるトレンドが高まっている今のサンフランシスコでは、そんな条件でも空き部屋が出ると入居希望者が大勢殺到する。

 先日、アパートを探している友人から聞いた話によると、他の入居希望者たちを抑えて大家の承認を得るため、向こう一年間の家賃をその場で小切手を切って払うから住まわせろという威丈高な態度で入居を決める若い世代も多い。そのレートで一年分の家賃というと約400万円相当である。それを小切手一枚で片付けるというのも豪気な話だ。

 自分の家のローンは毎月約8万円である。月35万円の家賃など払えるわけが無い。そういう見方をすればサンフランシスコ市内の若いプロフェッショナルたちがどれほどの給料を稼ぎ、どのようにして高額な家賃を払っているのかなど想像も理解も出来ない。

 サンフランシスコ市内での家賃高騰は、当然の事ながら市外の賃貸市場に影響を与えている。自分が住むサンノゼの家賃はサンフランシスコほどではないにしても、1LDKや2LDKが月20万円を下らないのは当然だ。そしてサンフランシスコ市内の状況が飛び火してこの周辺でも家賃の高騰が目立ってきている。

 このトレンドは明らかにバブルであり、現時点ではそれが弾ける様子はない。個人的にはこれがいつまでも続くとは思えないのだが、このバブルが弾ける兆候も可能性がある理由も見当たらない限り、少なくとも半年から1年は右上がりに継続すると見るしかない。いつものように、バブルは海面下からいきなり現れて世間を騒がせ、結局のところ多くの人々を苦しめることになるのだが、それがいつどのような形で現れるのかは素人の自分には見えていない。

2.22.2014

アメリカの携帯キャリアー事情

昨年11月末から今年1月初旬まで日本に滞在し、それまで行った事がなかった日本国内の様々な場所へ旅が叶った。東北、信越、北陸などだ。毎年少なくとも一度は帰省するが、行き先は大抵東京、大阪、そして実家の京都と都市圏ばかり。

この度は東北一の都市、仙台にも立ち寄ったが田舎にも行けたのが収穫だった。1両か2両だけの在来線が走る風景は身を切るような北国の風の中でも絵になる。

一関から気仙沼へ向かう大船渡線に乗っていてふと思ったことがあった。

 日本ではこんな山の中でも携帯電波が落ちない。

日本国内でiPhone5を買って帰省滞在中にはそれを使っている。キャリアーはソフトバンクだ。ほんの暫く前までは「つながり難い」とか「直ぐ切れる」などと言われていたソフトバンクだが、気がつくと「もっともつながり易いキャリアーになりました」というCMが流れている。もっとも、docomoもauもそれ程変わりないユーザ体験であろうと想像する。しかも日本の携帯のネットワークはやたら速いと感じる。

アメリカに住んでいると、通常の使用体験として携帯電波が切れないというのは驚くべき事だ、と僕は思う。例えば、2012年の10月に訪問したアメリカ南部のテネシー州。もともとあまり何もない南部の田舎でアパラチアン山脈の麓の地域だが、自分にとっては母校の大学がある想い出の土地である。20数年ぶりに訪れただけあって土地勘も薄れ、ハイウエイや町中の道も変わってしまっていてナビが必要な事が多かった。グーグルマップで確認しながらレンタカーを走らせたが、切れる切れる、携帯電波がブチブチとあちこちで切れるため、現在位置が分からなくなる事が大変多かった。

こういう状況をアメリカ人に話すと、「ま、田舎だからね」という返事しか戻って来ない。日本の携帯市場で「田舎だから」という言い訳はすでに通用しないであろう。が、アメリカでは予期すべき現象なのだ。技術力もイノベーションも世界一だとか言いながら、この状況なのである。

携帯電波は拓けた町中、例えばシリコンバレーのど真ん中でも切れる。切れない時も、4G/LTEでも3Gでもないさらにその原始系であるEDGEというプロトコルが時々顔を出す。Apple社の本社ビルの北側に280号線というハイウエイが走っているが、そのさらに北側、つまりApple本社ビルから280号線を挟んで反対側の交差点で4G/LTEおよび3Gが入らず、EDGEしか入らない箇所があった。Apple本社ビルから歩いて5分ほどの地点である。2013年の事だ。それにはさすがに腹が立ったが、暫くしてやっと改善されたようである。

ネットワークの速度はシリコンバレーでも日本に比べて明らかに遅い。とは言っても大半のアメリカ人はソファでテレビを観て世界を知っているような顔をしていても実際には臆病この上なく、アメリカの外へ旅をする人の数が圧倒的に少ないため、国外での携帯ネットワークが自国のそれよりも格段と速いという事実さえ知らず、体験した事など無い連中が大半なのだ。そんな連中にいくら「アメリカの携帯ネットワークは遅い」と伝えようとしても理解してはくれない。

ではコスト的にはどうか。日本に比べて携帯ネットワークは遅く、しかも至る所でブチブチと切れるサービスであるにもかかわらず、アメリカのスマホ携帯使用コストはやたら高い。独身でファミリープランとは縁がない状況で、毎月100ドル以上の請求が来る。しかも毎月のデータ量は制限されており、それ以上使うと追加料金を取られる。コストは日本の約2倍と考えて良いかもしれない。

アメリカから見ると、日本の携帯サービスはそのデマンドに対応してか、或いは日本独特のサービス精神の反映か、至れり尽くせりと言って良いレベルである。逆、日本から見た印象に反して(?)アメリカの携帯サービス全般のレベルが低すぎるとも言える。

そもそも、アメリカの携帯キャリアー市場ナンバー1と2であるヴェライゾン(Verizon)とAT&Tが需要と国土の広大さを言い訳に持ち出して積極的な投資をしてインフラの拡充やサービスの向上に関しては呆れる程怠慢だ。アメリカ南部の超保守的な白人肥満オヤジたちが葉巻をくゆらせながらやっているビジネスである。今後の向上はあまり期待出来ない。

孫正義氏がアメリカの携帯キャリアーを買収して本腰で全体的な改善を目指しているようだが、彼が全力を挙げて市場のレベルを上げて行けば、少しは日本のレベルに近づくのだろうか。


2.13.2014

右傾国策と少子化

アメリカは軍国資本主義である。中国でも共産主義などと言ってはいるがアメリカとほぼ同じ軍国資本主義の様相を呈している。(もっとも中国の場合は、元来お決まりの伝統的歴史的文化しか文化らしきものは無く、文化大革命の皮肉な反動として金儲けと消費と権力しか関心と能力が無い連中が大半を占めているのが現状で、おざなりにもご立派な資本主義とは呼べないのだが。)両者ともハンパ無い数の兵士を持つ事は共通しているが、その背景は似通ってはいるものの若干様子が違う。

中国の場合、有事の際に消耗可能な男子が有り余っている。貧困に喘ぐ地方の、教育も受けていない若者に食事と住処とちっぽけな給料を「軍隊に入れば…」と吹き込んで抱き込めばそれだけで兵力を増強出来る。年に20万件以上と言われるデモや暴動で中央当局に捕まり果てしない拷問を受けるよりは兵士になった方がマシだというわけだ。

一方アメリカでは911同時多発テロ前後のアメリカ経済の悪化および後退、製造業職種のオフショア化による就職難によって仕事にあぶれる若者が急激に増加した事を背景として、軍が若者を勧誘する際に「大学の学費負担」を退役後の条件として掲げているため、それに釣られた下層階級の多くの若者が兵士となる。特に昨今の大学学費の異常な高騰は下層階級のみならず中流階級家庭にも経済的プレッシャーがかかっている。(自分は下層階級の若者が従軍するのは米国政府や官庁がある程度そのような作為を持って組織的にそう仕向けていると考えている。)さらに911同時多発テロ勃発後はアメリカ独特の愛国心を以て自らの意思で従軍する血気盛んな若者も大変多かった。

また、アメリカの税制下では以下のようになっている:

1.結婚すると一人当たりの所得税は独身者よりも税率が高くなる。

2.結婚して高くなった税率を減少させる方法は二つある。一つは子供を作る事。もう一つは住宅ローンを組んで(平たく言えば借金をして)家を買えば、ローン支払いのうち利子分が所得税申告の際控除対象となる。

つまり「アメリカンドリーム」を実現したかったら先ず結婚し、子供を作り、家を買い、その家を消費品で一杯にしろという話だ。アメリカ社会では未だにそれが理想像とされるため、離婚率50%であろうとなかろうと将来兵士となってくれる「人材」は産まれ続けることになる。上手く出来たものだ。

因に、中国の貧困階級同様、アメリカ下層階級の若者たちの教育レベルも非常に低い。過去に製造業で繁栄した南部や中西部の市町村では今や失業率50%以上、基礎教育を全うしない若者(いわゆるドロップアウト達)が40%というコミュニティーもある。今そこにあるのは劣悪な治安と麻薬だけだ。従って、アメリカでも中国同様、一般兵士達の知性や理性レベルは非常に低いと考えて良い。日本領土にある米軍基地周辺で起こる米兵による日本国民に対する理不尽で残酷な犯罪が起こるのは下士官以下レベルの兵士の理性や知能レベルが低い事も大きな理由だと考えている。

これらの違いはあるにせよ、アメリカや中国はこのように供給を維持している膨大な兵力をバックに国際外交では偉そうな事を平気で言えるわけだ。また、各政府が国内軍備企業とベタベタの関係を保ち、兵器の増強、高技術の新兵器開発がそれに伴っている事は言うまでもない。

日中戦争と太平洋戦争でもそうだったが、そんな相手に戦争を仕掛けるのは狂気の沙汰以外の何ものでもないだろう。

しかし、どうやら現行日本政府はそう考えてはいない。

現在の数多い日本国内の問題の中に少子化というのがある。そう、少子化が問題になっている国がどのように志願者を募り、訓練し、戦線に送り込むと言うのか?という事だ。放っておけば人口が低くなるだけの今の日本が、今後さらにその人口の一部を戦争で犠牲にする覚悟があっての雑言なのだろうか?この点だけでも現行日本政府が机上の空論ならぬ妄想論を現実化しようとしている浅はかさが見て取れる。ネトウヨなどは「富国強兵」と「少子化」のジレンマさえ理解出来る知能は持っていないだろう。

日本国内から見てどうなのかは詳しく知らないが、これらの事を理解した上で国際レベルで日本の外から見ると、日本の宰相の言動などチャンチャラ可笑しくてまともに受け取れるものではない。これについては小林よしのり氏も大前研一氏も別の角度からほぼ同じ結論を出されているようだ。島国根性、井の中の蛙のメンタリティー炸裂中と言ったところか。

では少子化問題はどのように解決出来るのか?大して頭の良くない自分でさえある程度の想像はつく。

 若者達が安心して結婚し、経済的にも環境面においても安心して子供を産み育てることが出来、子供は虐待や利用される事無く成長出来る国および社会を作る。

単純にただそれだけである。今後日本が太平洋戦争の苦い体験をもう一度味わいたいかのように暴走するにしても、兵士の増強はそんな場合も最低限必要事項なのだ。宰相が恥も知らずに国際社会に軽薄な口先だけの「戦術」を主張する今の日本はその真逆に向かっている。そんな宰相とその取り巻きを「圧倒的支援」を以て選出したのは日本の有権者達だ。

1994年5月に初めてヨーロッパを旅して以来、「女と子供が幸せな国は安定した良い国だ」という考えは今も変わらないが、それを現在の日本に期待するのは無理であろう。


1.30.2014

日本は普通じゃない

日本は清潔さやサービスの良さなどで世界的に群を抜いている。物騒な事件が起こるとは言いつつも、治安の良さでも国際的には最高レベルだと言える。サービスの質の高さと平行して日本人の平均的な勤勉さやプロ意識も同様だ。

海外から訪れる人たちの目には良い意味で異様な光景に違いない。日本滞在中にはたと気付いて、ここまで目を配るのか、そんな事までするのか、と関心したり目を見張ったりするわけである。日本人にとってこれらのことは当たり前であって特別な事でも何でもなく、それを有り難く思う感覚も麻痺していると思われる。

そんな日本人がその有り難さを痛感するのは海外へ出かける時だろう。下手をすれば外資系の航空会社の飛行機に乗り込んだ瞬間からそれを思い知らされる羽目になる。日本の外に出た人で、しかも何らかの体験をしないと日本の特殊性には気付かない。



一ヶ月間ウォッシュレット無しで生活して日本に戻って来る事を想像してみれば良い。僕は日本滞在からカリフォルニアに戻って僅か数日後にはケツが痛くなる。このケツの痛さは国内でウォッシュレット完備をほぼ実現した日本の外ではごく普通の現象であると想像せざるを得ない。

清潔、質の高いサービス、細かい気遣いなどのレベルの高さを「世界で日本だけで他の国には無いもの」と初めて認識するのだ。角度を変えた言い方をすれば、日本の外でこうした日本の良さを要求したり期待するのは文字通り場所違いなのだ。

例えば、日本のサラリーマンが出張でフランスへ行く。フランスでは昼食にも時間をかけ、昼間からワインも飲む。その勤勉な日本人サラリーマンは帰国してから同僚にこんな風に報告する。

「パリで先方の社員と昼飯食ったんだけどね、連中ったら昼間っからワイン飲みやがってさ、あれじゃ仕事になんねぇよ。フランス人って怠け者なんだな。プロジェクトの話が進まなくてさ〜。」

勤勉さが国民性の一部である日本人にしてみればそういう見方もあるだろう。別の見方をすればこうなる。

「パリで先方の社員と昼飯食ったんだけどね、連中ったら昼間っからワイン飲んでるわけ。さすがにヨーロッパってところは日本と違ってゆったりとしているというか、人生楽しんで生きているよね。日本人みたいにあくせくしてないんだよなぁ。」



海外の工場で現地社員に日本でやっているのと同じ部品の作り方を指導して、教え込むことは出来る。が、彼らの生活様式や国民性を日本人化することは出来ない。その逆もまたしかり。日本のサラリーマンがEU圏で法律によって保証されている毎年5〜6週間の休暇を得ることが出来ても、日本人の国民性ではその時間をどのように自分を楽しませリラックス/リフレッシュさせるために使って良いのかも分からないだろう。普段スーツ&ネクタイ姿で蟻のように働くサラリーマンの自殺件数が上昇するだけだ。

その一方で清潔さやサービスの質の高さで与える好感度を「輸出」する事は可能だと考えている。中国などはその典型的な輸出先であろう。もっとも、マネとコピーしか出来ない中国人の事だから全部自分たちだけのアイディアでやったのだと言い張るに違いないのだが。

12.02.2012

SFベイエリアの不動産事情2012

シリコンバレーの不動産価格が再び上がり始めた。2008年の経済の落ち込み以後2010年、いや2011年まで下がり続けていたのだが、ここ数ヶ月で急に上がってきている。

ニューヨーク・シティーの不動産や家賃がアメリカで最も高いのは周知の事実だが、サンフランシスコ・ベイエリアはニューヨーク・シティーに次いで二番目に高いとされる。アメリカの経済が落ち込み、リストラと雇用問題が全国的に蔓延する中、サンフランシスコ市内のアパートは95%以上の稼働率を保ち、家賃が高騰していた。車社会のアメリカではアパートと言えども通常自分の車の駐車スペースがあり使用も家賃に含まれている。サンフランシスコ市内のアパートはそれ程治安が良くない地域で駐車場も無い1LDKでも家賃は月3,000ドル前後である。

独身で交際中だがそれぞれアパートに独り住まいのカップルが居るとすれば、二人で6,000ドル前後払っていることになる。これほど家賃が高くなると仕事を持つ人たちは当然家を買う事を考え始める。これは一例だが、それが数ある原因の小さな一つではないかと考えている。

シリコンバレーにあるこの中流長屋でも「For Sale」のサインが出始めている。マンションやタウンハウスを売り、一戸建てへ移ろうとする人たちだ。売りに出されたここの物件は驚いた事に15日から30日間で売れているようだ。しかも複数のオファーもあると言う。

この長屋の一軒を買う際、「ここには最低五年住もう」と決めていた。2010年1月に入居した後も下降トレンドは収まらず、とてもじゃないが売れるような値段ではなかったが、ようやく買値より高く売れる価格まで上がってきたようなのだ。グッドニュースである。