12.26.2009

この大晦日は

「ブルームーン(Blue Moon)」とは何かをご存知の方はおられるだろうか?

グレゴリオ暦の一ヶ月は28日から31日、その月によって日数が変わる。ローマ帝国の独裁者たちの傲慢さがプンプン臭う非常にいい加減なものだが、そのいい加減さのお陰(?)で「一ヶ月」の間に月が二回満ちることがあり、同じ月の二度目の満月が「ブルームーン」と呼ばれる。

2009年の最後の日、この大晦日は12月二度目の満月、ブルームーンである。

グレゴリオ暦の大晦日が満月というのは10万年に一度の現象らしい。

もし大晦日の夜が晴れていて月が見えるようなら、初詣に出かけたついでに2010年と今後10万年間のご利益をこのブルームーンに祈ってみてはいかがだろうか。

12.25.2009

小春日和のXmas

クリスマスの今日、ただいまの気温15℃、快晴、雲ひとつなし。

1991年、サンフランシスコ・ベイエリアに移ってきた最初の年のクリスマス。訪問中の両親とサンタクルーズのビーチにやって来て同じく小春日和のポカポカ天気の中、ビーチ沿いのカフェでラテを飲みながら夕日を見た。今日の陽気でその事を思い出していた。

この時期、アゲアゲ気分がクリスマスの朝まで続いてそれで終わりかというと、アメリカの場合はそうではない。クリスマスの朝にプレゼントを開き家族で大騒ぎした後でクリスマスの食事、そしてしばしのくつろぎの時間・・・それで済めばいいのだが、26日の早朝から「アフタークリスマスセール」なるものが始まる。クリスマスはキリスト教の祝日であると同時に消費者向け製品を提供するアメリカの企業やリテールにとっては生死が決まるヤマ場でもある。売れ残った品物は全て売り尽くす勢いで、ほんの2日前には考えられなかった値段でディスカウントセールが始まる。ショッピングモールのドアの前には26日の早朝5時から安売りを狙う人たちが並び始める。割引は10%〜15%なんてのは当たり前で25%から果ては75%の割引さえ見られる。

この不況でディスカウントショッパーは当然いつもより大いに違いない。静かなのは今日のクリスマスの日だけ。明日から再びクリスマス公害が始まる。泣き喚く子供たちを乗せたミニバンやSUVを駆るおっちゃん、おばちゃんたちはショッピングモールへ向けて見向きもせずに疾走する。そんな時はじっと家で本を読み、音楽を聴き、映画を観るのが一番である。

日本人の僕はやっぱり日本の正月の方が好きだ。

12.23.2009

2009年のベストアルバム

今年の僕にとってのベストアルバムを一枚に絞るのはとても難しい。今年リリースされたアルバムもあれば、2008年またはそれ以前にすでにリリースされていたものでも僕が今年になって発見したものもある。

それをご紹介する前に・・・

音楽業界では売り上げの継続的な下降が見られ、「深刻な状況」を心配する人たちも多いようだ。ダウンロード配信が上昇傾向にあっても全体的には横ばいか下降トレンドらしい。僕の立場から見れば音楽業界の連中から「心配だ」などとは聞きたくはない。単純に「いい音楽」が出ていないのだ。どんなに俗っぽくてベタな音楽(つまり「ヒット曲」というコンセプト)が大衆受けすると言っても、大衆側だって「いい」、「ふつ〜」、「ダメ」の区別くらいはつくだろう(と思いたい)。音楽業界、特に大手の連中がレベルアップしない間はこの状況は悪化しても良くはならないと考えている。

さて、僕の2009年のベストアルバム。まず2009年にリリースされたものから挙げると:



The Fieldの「Yesterday And Today」。スエーデンのストックホルム出身のアーティスト。2007年リリースの「From Here We Go Sublime」(これもとっても良い!)に続いて2009年にリリースされたこのアルバムは、前作同様ミニマルっぽい基盤に北欧特有のガラス細工や雪の結晶で覆われたようなサウンドが特徴。

もう一枚:



「Gold + Green」はテクノ界で最も注目されていると言ってもいい新人Architeqのデヴューアルバム。その独創的なサウンドと狂気のミックスでベテラン勢を唸らせたと言われている。こんなのもありなんだと思わせる作風で、今のところ何度聴いても僕には「分かる」まで至らない。

2009年になる前にリリースされたもので僕が今年発見したものの中では:



Evan Marcの「Emotional Ecology」。2007年にリリースされたようだが、その新鮮さはトラック1から最後まで全く失われていない。むしろ、ミニマルテクノとそのヴァリエーションが日本やヨーロッパ(アメリカではこのような音楽はあまり受けない)でヒートアップしているようだから僕みたいに後付けで見つける人も多いのでは。この人は他にも「Bluetech」のエイリアスでサイケ・ダブやアンビエントのアルバムを数枚リリースしている。が、やはりそれだけでやっていく事はアーティストとして困難らしく、ミニマルテクノっぽいクラブ向けの曲を別名でリリースし始めたと聞いている。

2010年も素晴らしい音楽との出会いがありますように・・・

12.22.2009

「去年ルノアールで」

日本語ビデオレンタルショップに再び通うようになってしまった。この行動はおそらく僕の「アンチ・アメリカン・クリスマス的」姿勢が反映されているからに違いない。

この時期、アメリカ人の多くは仕事、帰省または訪問中の親族、クリスマスプレゼントのショッピング、クリスマスディナーの献立、クリスマスパーティーが頭の中でごっちゃになっている。巨大なバンやSUVの中では子供たちがチャイルド・シートで泣き喚く。

そんな連中のアブナい運転には付き合っていられないし、「クリスマス渋滞」に捕まるのも嫌だ。だから週末は外出を避ける。本を読むか、音楽を聴くか、ビデオを観る。

先日借りてきたビデオはそれまで見慣れず聞き慣れなかったもので、「去年ルノアールで」という一話10分の短編集のようなもの。これが僕にはバカ爆笑モノの大ヒットだった。

ウィキペディアによると、「広報番組『Eネ!』枠内で、2007年7月15日から2007年9月30日に毎週日曜深夜26:30–26:40(毎週月曜日未明2:30−2:40)にショートドラマとして放映された。全12話。」とある。月曜日の未明なんて見る人はいないだろうと思うのだが、色んなところで目にする人気俳優たちも数人出演している。面白半分に出演依頼を引き受けたのだろうか、バカなキャラになり切っていた。

番組の中でコーヒーは「ルノアール名物、ブレンドコーヒー」と呼ばれていたが、僕の記憶には「ルノアールのブレンドコーヒーは美味しかった」という印象は全くない。どちらかというと煮詰まった臭いのする濃い目のコーヒーという覚えがある。個人的に「ルノアールの名物」と言えばお替わりタダのトーストなんだけど。高校生の底なしの胃にはもってこいのスナックだった。

僕の中高時代にはルノアールは至る所にあった。駅前銀座と呼ばれる場所では頻繁に見かけた。今のドトールやスタバのようなものなのだが、それは所在地の話であって、店内は全く違う。「去年ルノアールで」ではあの懐かしいルノアールの店内の様子を的確に描写しつつ、現在の客層の様子を絡めて面白く表現している。

本来ルノアールは名曲喫茶で、従って流れているBGMはクラシックである。が、あれほど過激にクラシックとは無関係な客層が中心となっている名曲喫茶は他に例を見ない。店内は今の時代には信じがたいほど広く、一見馬鹿でかいキャバレーかダンスホールのようなインテリアで、通常照明は暗めだった。僕にとっては一人で行く類いの喫茶店ではなかったから、行く時はいつも同級生たちと一緒だった。

この番組の中では「ルノアールGinza」と表示されていたけれど、僕にはそれが本当に銀座にあるルノアールで撮影されたのかは分からない。前回日本へ行った時は新宿東口のディスクユニオン付近と大ガードから新宿西口に出て大久保方面に向かった所にあった。

今でもルノアールの店内では実に雑多な人たちが実にランダムな事をやっているのだろうか?次回日本へ行く際は必ず行こう、ルノアール。

12.11.2009

50男の物欲 2

コルグがDS-10 Plusの日本発売を発表して以来、アメリカでの発売を待っていたけれどもう我慢出来ないっ、ってことで任天堂DS iをこちらで購入し、日本からDS-10 Plusも。


これだけでこのホリデー休暇は退屈しない!と思うほど内容が充実している。老眼鏡でなければソフトの表示が見えない(汗)のだが、楽しいのだから仕方が無い。

僕の物欲なんて相変わらずこんなものだ。

12.09.2009

西海岸の寒波

昨日と今日は出勤時の朝8時でマイナス2℃。これはこの一帯ではかなり寒い方だ。月曜日の朝などは山の頂上近くが雪と氷で真っ白だった。

車のエンジンをかけて暫くしないと窓やサイドミラーの霜、氷が解けない。

こんな日は17号線の山越えは要注意で、特に暗くなってから「ブラックアイス」と呼ばれる見えない氷にはまってコントロールを失うと事故る。こういう時は運転をあきらめて会社のシャトルに乗るのが一番。

[on now: Evan Marc & Steve Hillege - "Dreamtime Submersible"]

8.14.2009

The Cove

日本の人たちはこの映画のことを知っているだろうか?

http://thecovemovie.com/

アメリカではすでに公開されている。最近、「日本人」としての僕に質問が絶えない。

7.10.2009

ハイシエラ2009 Part 2

初日のレイトナイトはUmphrey's。久々に観たこのバンド、ジャムバンドの仮面を被るプログレバンドだと思った。アンコールの直前に会場を出て就寝。

二日目はやっと午後からバンドを観始めた。Lubriphonicはシカゴ出身のR&Bバンドなんだけど、バンドメンバーが皆飛んでもない目立ちたがり屋で、それぞれソロの時など目立つことには嘘無し。それがむしろストレートで気持ちいい。メジャーなシンガーソングライターAni DiFrancoをチェックしたけれど、いかにハードでも弾き語り系は僕には響いて来ないな。で、この日のハイライト、Cornmeal。これもシカゴ出身で一応「ブルグラ系」なのだが、ジャムるジャムる!噂には聞いていたけれど、ぐんぐん引っ張っていく感じはヨンダーに似ている。しかもドラムスがあって踊れる。三日目のレイトナイトはビスコと決めていたけれど、もうちょっと聞きたかったから彼らのレイトナイトチケットも買ってしまった。ヴァイオリンの女性は楽器が彼女の体の一部であるかのようにしなやかにのびのびと動き回る。彼女のジャムは凄い。この夜のレイトナイトはALO。軽やかで楽しい。


三日目。ハイシエラが導入しようとしているインディーロック系のRed Cortezをチェック。最近はいろんなインディー系が出ているけどどのバンドも同じような感じでピンと来ない。賑やかなLeftover Salmonはメンバーを再編成して活動を再開した。彼らは楽しいのだけれど、ちょうどその時間にアポをとっていたマッサージのBGMとしては騒がし過ぎる(笑)。でもマッサージを受けた後、Fareedの自己のバンド、Fareed Haque and the Flat Earth Ensembleを観れたのは良かった。このバンドはタブラ、シタール、キーボード、ドラムス、ベースにFareedのギターという構成。いつもながら「なぜこの人の知名度が低いのか?」と考えてしまった。素晴らしい演奏で、セット中はほとんどのオーディエンスが座って聴いていた。その後はキモック。Steve Kimock Crazy Engineはこのフェスで観るからとそれまではショーには行っていなかったので初めて。JGBの曲よりもこのバンドのオリジナル曲を中心になったセット。キモさん、いい味出してました。ドラムスは彼の16歳の息子が頑張っていた。ねえさんが書いていたように、僕も彼のドラムスの方がロドニーのよりも好き。でもAlan Hertzには適わんよ。レイトナイトはビスコとCornmealを行ったり来たり。だけどCornmealがジャムっている時の方がモロブルグラやっている時よりも好きだった。Jerry GarciaとDavid Grismanがやっていた曲「Shady Grove」で凄いジャムを展開していた。


最終日。連夜のレイトナイトで疲労気味。動きもスロー。この日はどのバンドにも特にのめり込まず、夕方近くにVieux Farka ToureのアフリカンミュージックをBGMにまたマッサージを受ける。Wailersはボブ・マーレーの曲を忠実に再現していたけれど、Global Fusionの旅以来レゲエは今でも食傷気味。このフェスの野外の最後はビスコ。前夜Cornmealに重点を置いてみたためにこの日はほぼずっとメインステージのビスコで踊っていた。今までメインステージで2時間半のセットなんて無かったけれど、彼らはその長いセットを難なくこなしていた。だって2時間半の間に彼らが一息入れてチューニングしたのはわずか3回ほど。終わることの無いドラマチックな演奏が延々と続くのはいかにも彼ららしいな。

最終日はビスコで踊り過ぎた上にそれまでの疲れも重なってレイトナイトはパス。キモさんのレイトナイトチケットは友達にあげてしまって早々に寝床へ。爆睡。

不況に喘ぐアメリカでのフェス、今年は全国で行われているフェスの動員数が軒並み20%減なのだとか。ハイシエラも例外ではなく、土曜日のレイトナイトの前にファイアーダンスをやっている広場でたむろっている人たちもまばらだった。でも例年以上にチルだった。あのゆったりとした感じが北カリ本来のバイブレーションでとても良かった。


3枚目の写真はニーナの作。

来年、ハイシエラは20周年を迎えます。

追伸:誰かFareedを日本に呼んで下さい!Garaj Mahalかな、やっぱり。

ハイシエラ2009 Part 1

今年もハイシエラ・ミュージック・フェスティヴァルへ行った。

フェスへ向かう道中で果樹園直営店でピーチを買う。これも楽しみのひとつ。この果樹園はいろんな種類のピーチが熟す時期が違うので、わざわざカレンダーを作って、いつ頃どの種のピーチが食べごろかを知らせてくれる。


昨年に続き、同じ独立記念日の連休週末にハイシエラの20倍の動員数のフェス、Rothburyがミシガンで行われたため、ハイシエラでのラインナップは少々寂しい気さえしていた。オーディエンスの数は明らかに少ない。参加したバンドの数も少なく、以前メルトーンがアメリカデビューしたAmericana Stageは今年は無く、野外のステージは3カ所。

でも現地に着くとそんな事はどうでも良かった。むしろ、北カリフォルニア独特のチルでゆ〜ったりとした雰囲気がいつもより体感できた。食事もトイレも列が無く、ステージ前のスペースもゆったり。


初日はフェス初参加のKinakoさんを案内しながらサイト内をぶらつきながらDelhi 2 Dublin、Marco Benevento Trio、ALO、John Butlerなどをチェック。天気は晴れでジリジリ来る日差し、気温33℃、湿気なし。う〜ん、これぞ北カリのフェス!

6.30.2009

プールサイドパーティ

先週末、普段は涼しかったり寒くさえあるサンフランシスコで30℃まで上昇。シリコンバレーは言うまでもなくもっと暑く、35℃にも達したらしい。夏到来!今年はちょっと遅い。

土曜日はサンタクルーズも30℃前後になるとの予想だった。ちょうどその日Billという友人が54歳の誕生日パーティを開くというので、ポットラックのために蕎麦サラダを作り、彼の家にあるプールで涼もうと水着も用意して行った。が・・・午後3時ごろから霧が流れ込んできて急に寒くなってしまい、プールで涼むどころではなくなった。

Billの自宅は以前ご紹介したサンセットウォークの散歩道からほんの3ブロック。海沿いだから霧の影響も受けやすい。

それでもドラムスを演奏するBillは仲間たちとプールサイドでジャズを演奏し、グリルでは肉や魚屋やコーンが焼かれ、ウェットバーではカクテルを作り、みんなが持ち寄った料理をテーブルに広げてとても賑やかなパーティになった。

6.28.2009

Saxophone

木曜日の夜はサンタクルーズのブルースバー、Moe's Alleyへ。シアトル出身のMcTuffというハモンドオルガンを軸としたトリオにSkerikが加わった形のばんど。ファンキーなジャズで踊れる。このメンツでハイシエラに出演するから再度チェックしてもいいかな。


金曜日はサニーベールに住んでいた時のご近所さんだったドイツ人夫婦と3人でサンフランシスコのYoshi'sへ。Yoshi'sは日本料理とジャズクラブのフュージョンでオークランド店とSF店があり、世界広しといえど名だたるジャズメンの演奏を聴きながら寿司を頬張ることができるのはここだけ(だと思う)。


その夜はジョン・コルトレーン愛弟子、ファラオ・サンダースのカルテットにタブラの第一人者ザキール・フセインが加わるという一大事。だけど、ジャズのグルーブとタブラって合わないと思った。

二本の素晴らしいワインをブレンドしても、そのブレンドが必ずしもオリジナル以上に美味しいとは限らない、というところだろうか。

-- Post From My iPhone

6.22.2009

久しぶりのSF

金曜の夜はサンフランシスコへ。友人四人がやっているバンド、Five Eyed handが他のバンドの前座を務めるというので応援に行ったのだ。久しぶりのSFは強風に見舞われて寒かった!いつもの事なんだけど。

その夜はアランという友人宅に泊まり、土曜日は午頃からHaight-Ashburyを散策。Lower Haightに車を停めて、Upper Haightまで急な坂を上って行く。


夕方近くからMill ValleというGolden Gate Bridgeの北に住む家族が開く「夏至パーティー」へ。ちょっとアブないけど運転中にiPhoneでGGBを撮ってみた。


音学好きの友達が集うパーティーは、笑い声が絶えない大家族のように楽しくて和める。

-- Post From My iPhone

6.14.2009

なぜかMSG

一昔前のギターキッズだったら憶えているでしょう、この人。アルコール中毒と戦いながらもハードロック、ヘビメタで金字塔を打ち立てたマイケル・シェンカー。かつては武道館でのコンサートを二枚組アルバムでリリースしたこともあった。






特に興味があったわけじゃないけど、友達がゲストリストに入っていてタダだったのと、ヴェニューがなぜかサンタクララで職場の近所だったので便乗してしまったわけ。

ヘビメタ系のショーって1999年にブラックサバスのリユニオンに行って以来のこと。写真でもお分かりのようにベースとなっていたオーディエンスの年齢層は僕とあまり変わらないハゲかかったオッサン、やたら巨乳の30〜40代の女性ヘッドバンガーたち。20代の人たちは数えるほどしかいなかった。もっとも、オーディエンスの数は多分300前後だったけど。

マイケル・シェンカー・グループ(MSG)で僕が知っていた数曲、あとは70年代のUFO時代の名曲、「Rock Bottom」でジャムってくれたのが楽しかった。

55才のオッちゃんがヘビメタ?という声もあるだろうけど、ジェフ・ベックだって今年65。マイケル・シェンカーなんか若い方(笑)。ギターも相変わらずクリアでメロディックなストレート派、しかも決める時は決める。熟練工という印象だった。

チケ買ってまで行くか?は疑問だけれど、行ったら案外楽しかった一夜だった。


-- Post From My iPhone

6.11.2009

さくらんぼが旬

今カリフォルニアではチェリーが旬。今年は例年より質が良いとのこと。

昨日会社のカフェテリアでもビングチェリー(アメリカンチェリー)が売られていて、思わず買ってしまった。歯ごたえあるぶ厚い食感でとても甘かった。

今週はミスったけれど来週は大屋さんに頼んでファーマーズマーケットで買ってきてもらおう。

ちなみに、「ビング」という名はもともと人名で中国満州族のアー・ビングという人がアメリカ人の園芸家、Seth Lewellingと開発したことからこの名前がついたそうだ。開発地はオレゴン州のミルウォーキー。北カリフォルニア一帯の果樹園でもよく見かける。

この後はピーチのシーズン!




-- Post From My iPhone

6.09.2009

暇つぶし

iPodのロック機能が効かなくなってしまったので、Appleストアでサポートしてもらうことに。ストアの隣のカフェで暇つぶし。カフェのBGMはRemember Shakti。

今日は戻ってから5日目。何故か午後に入って眠くなった。



-- Post From My iPhone

4.04.2009

ウィローと一緒

2週間ほど前にウィローをサニーベールから連れてきた。アイクラーハウスのような広い間取りのスペースや、旅に出たりちょっと留守にした時にウィローを可愛がってくれるスイス人のご近所さんから離れてどんな反応を示すかがちょっと心配だった。それに、このコッテージの周りは草や茂みや大木で、サニーベールにはいないような他の動物もいる。

だけど、もともとウィローはサンタクルーズの山の中で生まれ育った猫だ(と思われる)。彼女が拾われたのは、サンタクルーズから山へ10kmほどにあるフェルトンという小さな町。15年も前の話だ。あの頃の環境を彼女は覚えているだろうか?

大家さんは大の猫好き。この数年で2匹の猫が亡くなった後、まだ次の猫を飼い始める気分ではないようだけど、扱い方はちゃんと心得ている人だから何かあった時にも頼りになりそう。ウィローが移ってくるというニュースに大家さんはとても喜んでいた。

始めはコッテージの中に慣れてもらうために、3日ほど外出禁止。初日は食欲はなかったけれど水は飲んでくれたし、おトイレの場所もちゃんと分かっていた。Good girl, Willow!外に出すようになってからは大家さんがいる母屋と広い敷地を毎日少しずつ冒険。慣れるのは思ったより早かった。今では母屋に入れてもらうとリビングの柔らかいイスでお昼寝するのが習慣。

住宅街とは違った環境のせいか、いったん慣れるとものすごい食欲。それとも暖かくなってきたからだろうか。どちらにしても、成長しても大きな子猫ほどの小柄なウィローにとって健康な体重を保つのは大切な事なので、よく食べてくれるのは嬉しい。

彼女も約16歳。長生きして欲しい。

3.29.2009

サンセットウォーク

晴れた週末の夕方はなるべくサンセットウォークに出かけることにしている。遊園地がある浜辺の西側に小さな灯台があり、その周辺はピクニックエリアと駐車場もあって、毎日やってくるサーファーをはじめ町の人たちや観光客で結構賑わう。そこから西へ約2キロ西にあるナチュラル・ブリッジスと呼ばれるビーチまで歩く。速く歩いて約一時間半ほどの行程。

夕方になると、散歩の出発点に近い灯台の周りにはドラマーやポイダンサーやフラフーパーが集まってきてドラムとダンスのジャムセッションになる。フェンスの向こうは上級者が集まるサーフスポットで、短くて素早い小回りが利くサーフボードを操るサーファーが観光客の注目を集める。ヒッピーたちのドラムスを後に散歩が始まる。


左は海、右はアッパークラスの住宅地。良い家には違いないけど、これだけ人の目を引く場所ではそれほどプライバシーがあるとは思えない。海が見えるから当然窓を大きくしたいのはうなずける。だけどその窓を通して歩行者、自転車や車で行き交う人たち、観光客が一日中後を絶たないだけに、たとえそんな家が買えても住み心地は保証されないような気がする。

習慣的にこの散歩をしていると、毎回同じ人たちを見かけるようになる。小さい犬を連れている老夫婦、ジョッギングする学生、写生するアーティストのカップル、とか。その中に一人オールドヒッピーがいて、先日も会った際に数分立ち話をした。彼が言うには、この歩道から見える陽が海に沈むのは冬だけ。夏が近づくに従ってこの地点から見える日没は次第に陸と住宅地に沈むようになり、海に沈むのに比べると美しくはない。だから多少寒くても冬のサンセットは特別なんだ、と。確かに。


折り返し地点を通過してしばらく経った頃、日没後の光加減が日によって素晴らしいときがある。ちょっと雲が出ているとドラマチックな、神々しい光を見ることが出来る。それを時々振り向きながら灯台まで戻ってくると、ドラムスの音は大きくなっているし、ファイアーダンサーも登場する。この時間帯は観光客はすでにおらず、地元の人たちだけのシーンになっている。サンタクルーズの風物詩のひとつ。

3.03.2009

STS9 @ The Fillmore

アトランタでのニューイヤーズをキャンセルしたのはこのフィルモアでの4ショーの日程がアップされたから。南部と言ってもアトランタの冬は寒い。めっちゃ遠いし・・・金曜日は休みを取って木曜日の夜からサンフランシスコに滞在。

木曜日はほぼソールドアウト、もしかしたら当日完売になったかもしれない賑わい。金・土はずっと前からソールドアウトになった。さすがに日曜日はゆったりとスペースがあるだろうという予想だったけど、ショーが始まる頃にはフロアはかなり混んでいた。

日曜日以外は新曲におなじみの曲を混ぜ込むという感じのセットリスト。古い曲に新しいサウンドとアレンジを吹き込んだ演奏に時々新曲を入れたショーは日曜日。以前からのファンが喜びそうな。

4夜ともにDJが一人ずつオープナーを務め、バンドのオープナーは無し。なんかその方がすっきりして良かった気がする。最初の3ショーは2時間を超えるワンセットをマルチのアンコールだったのが、日曜日だけは2セット+1アンコールのフォーマットだった。いろいろ変えて試しているんでしょう。

試すと言えば・・・ステージでの彼らのポジションが一掃されて新しいステージフォーマットになった。ザックはステージ向かって左側、ジェフリーが右側でそれぞれかなり高い位置にプラットフォームを組んで観衆を見下ろすような感じ。マーフィーも左に移動、ザックのドラムスの麓に。ハンターはジェフリーの前に。そしてフィップスがステージ中央に位置し、しかもオーディエンスに向かって演奏する形になった。フロアからガンガン弾きまくるフィップスの顔を正面に見ることが出来るのは・・・いいねぇ〜そしてライブペインターのクリスとジェイはステージの両端に陣取っていた。かっこいいフォーマットだ。

だけどこれはただフォーマットを変えただけじゃなくて、その背後にはオーディオ関連のいろんな理由があるらしい。サウンドが違う。前に比べてかなり澄んだ音になったような。ヴェニューによっては音量が高過ぎることもあったベースもうるさ過ぎず、しかも効果的。ジェフリーのパーカッションやフィップスのキーボードがより鮮やかに聞こえた。

もう一つ、バックドロップがアトランタのニューイヤーズの写真で見られるようなスクリーンになっていた。投射ではなくスクリーン自体がピクセルの集合体のもの。他の照明が消えてこのスクリーンがオンになる時はバンドメンバーがシルエットになって絵になる。

知らない曲、つまり「Peaceblaster」にも入っていない曲が聴けたのは金と土。一番客数が多いこの二晩にそういう曲を持ってくるというのはいかにも彼ららしい。ダークでヘビーなビートとベースにギター、シンセ、サンプリング、エフェクトがかぶさるのはずっと前からの試みだけど、いつも新鮮で斬新で意外性に富む演奏だという点は感心してしまう。アレンジにアレンジを重ねて「自作のリミックス」のようになってきた古い曲でもそれは同じ。イントロ聴いても分からないものもあったり。

フィップスはアナログ・モジュラー・シンセのスタックとmonomeを導入。あの人、何台シンセ持ってんだろ?キース・エマソンとかリック・ウエイクマンのステータスに近づきつつありますよ。あんなにエキサイトして動くフィップスは今まで観たことなかったな。それとも正面を向いたから観れるようになったのか?

金土共にソールドアウトだったのに、観衆の反応がイマイチ。不思議なのは、曲の途中ではみんなガンガン踊りまくっていて叫び声も挙げるほど興奮しているのに、曲が終わると静かになってしまっていた。あまりにも凄い演奏に言葉も出ない、という感じでもなかったし。パーティーし過ぎだな、あれは。あるいはセットブレイクがあると無いとであんな風に違うもんなんだろうか。木と日は、客のほとんどがこのバンドにハマってる人たちばかりだったようで、反応の質がもっと良かったように思う。

やっぱりこのバンド、本物。最高だわ。

ちなみに、ジェフリーに娘「ルビー」誕生。ザックは婚約したし、ジェイも今年結婚する。フィップスの娘「アヤナ」ももう2歳。だってあのザックが今や30歳ですよ。みんな大人になってますね。バンドメンバーも、クルーも、それをサポートする「ファミリー」もみんな素晴らしい人たちだ。若くてポジティブでクリエイティブで愛がこもったバイブレーションを持っている。音楽を通じてだけじゃなくて、家族生活面でもユニークなコミュを形成している。ただ音楽だけじゃない。総合体として感心してしまう。そんなコミュニティーに加えて頂いているだけでもインスピレーションを浴びることが出来る。今の僕にはとても有り難い。

幸せ。

2.21.2009

目下多忙中

仕事ではなく、私的生活面でのタスクが山積している。今はそういう時期、とあきらめて少しずつでもこなしていこうと対処している。そうしていればいつか終わるものだから、それ自体、そして仕事とのバランスを保つという点では多少のストレスにはなるけれど、精神的な圧迫とまではいかない。大切なのは健康維持かな。ほぼ毎日職場のジムでエクササイズしてるし、睡眠もよく摂れている。とりあえず、ごちゃごちゃした所得税の申告だけは完了。今回はリファンド(払い戻し)がかなりあるようで、助かる!

カリフォルニアはいつものように梅と桜が同時に咲いて、いつものように雨がマジェンタやほんのりピンクの花びらを洗っている。先週は雨が結構降って、貯水湖の水高も上がってきた。裸の丘の斜面に広がる雑草の新緑が鮮やかで、灰色の空とのコントラストがきれい。今週もさらに降るようだけど、これまでの雨は風を伴わない気持ちのいい雨だった。嵐になると木が倒れたり、半端じゃない量の葉っぱが落ちるんだけど、今のところそれもない。

残念なのは、週末の日暮れ時に海岸沿いを歩く「サンセット・ウォーク」が出来ない事。この模様は近々写真とともに紹介します。

お隣さんとうちの大家さん、その後ろ側に住むもう一人のお隣さんが共同で木々の枝払いをしたのが二週間前。雨が降り始める前でとてもタイミングが良かった。おかげでコッテージの南側からの日光量が断然増えた。週末の朝も作業をやっていて、チェーンソーの音で起こされるのには閉口したけれど。

その間、今度は仕事の方が忙しくなって、今週はかなり大変だった。ありがたいのは、雨で事故が多発する17号線を自分で運転しなくてもよく、社員専用のシャトルバスで通勤できること。うちの会社、最高。

ショーには全然行っていない。忙しいから行かないのか、それとも観たいバンドがないからか。その両方だな。最近観たと言えばニューオルリンズから来たネビル・ブラザーズのメンバーを中心としたファンクバンド、Dumpstaphunk。久しぶりに踊りまくりましたよ。3時間があっという間に過ぎた。来週の週末は4夜連続でSTS9@The Fillmore。4日間、サンフランシスコに滞在してとことん楽しむ予定です。

2月もあとわずか。春が来ます。

1.28.2009

50男の物欲

クリスマスと50の誕生日があった12月、eBayで新品同様のNintendo DS Liteを約$75で買った。しかも赤:


ゲームには全く興味はないが、これ↓には多いに関心がある:


このシンセのためだけにNintendoのゲーム機を買っちゃったわけだ。なぜ新品同様のヒット商品がオークションに出ていたのかは、遅まきながら数日後判明。Nintendo DSiという新しいモデルが日本で発表されたからだ。

で、その時点で仕事始めまでにはまだ一週間も残っていたものだからマニュアルを片手にいろいろやってみたところ、これがめちゃくちゃ楽しい。手にして二日目には、いっちょまえに3つほど異なるビートの「曲」が出来た。最初は可愛くチージーなハウス。次はヘビーなヒップホップでBoards of Canadaみたいなヨレヨレだけどキレイな音色がかぶっているもの。3つ目はギトギトのアシッド。これをCDプレーヤーのAUXにつなげて音量を上げて聴いてみたら・・・結構かっこいいじゃん!

デッドヘッズの大家さんは変な顔をしていた。

2009年の仕事始め。職場にいるジャパニーズカルチャー(オタクカルチャー、漫画、アニメ、ラーメン、コンビニ、ジャンクフードなど)にハマっている20代半ばの白人兄ちゃんに見せたら、「あ、それボクも持ってる」だって。この野郎っ。何でも持ってやがる。早速次の日マルチプレーヤーモードでランチを頬張りながらジャムる。かなり楽しい。が、その後多忙モードに入ってしまい、しばらくこうして遊ぶことも出来なくなってしまった。

しかしこれって・・・50歳のオッサンがやることだろうか?ま、いいや。現在YouTubeでいろんなトリックを勉強中。

1.27.2009

Happy New Year!

8年の暗闇の中からようやく抜け出せたという実感がある新年です。

アメリカ人にとっては、グローバルな不況もあるけど、ブッシュとチェイニーがいた時よりはまだましだ、「希望」や「Change」が実現するかどうかは誰にも分からない、だったらオバマに期待、というところだろうか。アメリカ人のそんな気持ちが伝わってくる写真の数々:

http://www.boston.com/bigpicture/2009/01/the_inauguration_of_president.html

僕は慎重派というよりは政治家にはあてにしない方なので、何とも言えないけれど。ただ、オバマが過去30年僕がアメリカに住んできた間に大統領だった連中とはかなり違った人であることは確か。

職場から就任式を見にわざわざワシントンまで休暇を取って行った同僚がいます。彼によると、ブッシュとチェイニーがブーイングされたらしい。今やブッシュの遺産は「靴を投げられたこと」とも言われています。ただ、黒人嫌いとかブッシュ路線支援の延長でマッケインに投票したアメリカ人の割合が45%前後であることをお忘れなく。また、ブッシュの支持率が落ちたのはアフガニスタンでもイラクでもグオンタナモ収容所でもなく、経済が下降線に入ってからであることも。古いアメリカはまだまだ残ってます。

それにしても、不況不況といいながら、そして大規模なリストラと失業率のプレッシャーのなか、人々の表情はなぜかすっきりしているような気がするのは、ここが北カリフォルニアだからなのか、それとも新大統領がそれほど待たれていたからか、僕には分かりません。

ブッシュ政権の下、特に911の後、僕はアメリカという国はリーダーが代わるというだけで良くも悪くも代わることが出来る国だ、と言い続けてきましたが、今回も同じです。良い方向への変化があるように祈るばかり。

政治はともかく、音楽は白人の田舎者の音楽、カントリーミュージックよりはもうちょっと踊れる音楽に変わりそうです。