12.23.2009

2009年のベストアルバム

今年の僕にとってのベストアルバムを一枚に絞るのはとても難しい。今年リリースされたアルバムもあれば、2008年またはそれ以前にすでにリリースされていたものでも僕が今年になって発見したものもある。

それをご紹介する前に・・・

音楽業界では売り上げの継続的な下降が見られ、「深刻な状況」を心配する人たちも多いようだ。ダウンロード配信が上昇傾向にあっても全体的には横ばいか下降トレンドらしい。僕の立場から見れば音楽業界の連中から「心配だ」などとは聞きたくはない。単純に「いい音楽」が出ていないのだ。どんなに俗っぽくてベタな音楽(つまり「ヒット曲」というコンセプト)が大衆受けすると言っても、大衆側だって「いい」、「ふつ〜」、「ダメ」の区別くらいはつくだろう(と思いたい)。音楽業界、特に大手の連中がレベルアップしない間はこの状況は悪化しても良くはならないと考えている。

さて、僕の2009年のベストアルバム。まず2009年にリリースされたものから挙げると:



The Fieldの「Yesterday And Today」。スエーデンのストックホルム出身のアーティスト。2007年リリースの「From Here We Go Sublime」(これもとっても良い!)に続いて2009年にリリースされたこのアルバムは、前作同様ミニマルっぽい基盤に北欧特有のガラス細工や雪の結晶で覆われたようなサウンドが特徴。

もう一枚:



「Gold + Green」はテクノ界で最も注目されていると言ってもいい新人Architeqのデヴューアルバム。その独創的なサウンドと狂気のミックスでベテラン勢を唸らせたと言われている。こんなのもありなんだと思わせる作風で、今のところ何度聴いても僕には「分かる」まで至らない。

2009年になる前にリリースされたもので僕が今年発見したものの中では:



Evan Marcの「Emotional Ecology」。2007年にリリースされたようだが、その新鮮さはトラック1から最後まで全く失われていない。むしろ、ミニマルテクノとそのヴァリエーションが日本やヨーロッパ(アメリカではこのような音楽はあまり受けない)でヒートアップしているようだから僕みたいに後付けで見つける人も多いのでは。この人は他にも「Bluetech」のエイリアスでサイケ・ダブやアンビエントのアルバムを数枚リリースしている。が、やはりそれだけでやっていく事はアーティストとして困難らしく、ミニマルテクノっぽいクラブ向けの曲を別名でリリースし始めたと聞いている。

2010年も素晴らしい音楽との出会いがありますように・・・