12.26.2009

この大晦日は

「ブルームーン(Blue Moon)」とは何かをご存知の方はおられるだろうか?

グレゴリオ暦の一ヶ月は28日から31日、その月によって日数が変わる。ローマ帝国の独裁者たちの傲慢さがプンプン臭う非常にいい加減なものだが、そのいい加減さのお陰(?)で「一ヶ月」の間に月が二回満ちることがあり、同じ月の二度目の満月が「ブルームーン」と呼ばれる。

2009年の最後の日、この大晦日は12月二度目の満月、ブルームーンである。

グレゴリオ暦の大晦日が満月というのは10万年に一度の現象らしい。

もし大晦日の夜が晴れていて月が見えるようなら、初詣に出かけたついでに2010年と今後10万年間のご利益をこのブルームーンに祈ってみてはいかがだろうか。

12.25.2009

小春日和のXmas

クリスマスの今日、ただいまの気温15℃、快晴、雲ひとつなし。

1991年、サンフランシスコ・ベイエリアに移ってきた最初の年のクリスマス。訪問中の両親とサンタクルーズのビーチにやって来て同じく小春日和のポカポカ天気の中、ビーチ沿いのカフェでラテを飲みながら夕日を見た。今日の陽気でその事を思い出していた。

この時期、アゲアゲ気分がクリスマスの朝まで続いてそれで終わりかというと、アメリカの場合はそうではない。クリスマスの朝にプレゼントを開き家族で大騒ぎした後でクリスマスの食事、そしてしばしのくつろぎの時間・・・それで済めばいいのだが、26日の早朝から「アフタークリスマスセール」なるものが始まる。クリスマスはキリスト教の祝日であると同時に消費者向け製品を提供するアメリカの企業やリテールにとっては生死が決まるヤマ場でもある。売れ残った品物は全て売り尽くす勢いで、ほんの2日前には考えられなかった値段でディスカウントセールが始まる。ショッピングモールのドアの前には26日の早朝5時から安売りを狙う人たちが並び始める。割引は10%〜15%なんてのは当たり前で25%から果ては75%の割引さえ見られる。

この不況でディスカウントショッパーは当然いつもより大いに違いない。静かなのは今日のクリスマスの日だけ。明日から再びクリスマス公害が始まる。泣き喚く子供たちを乗せたミニバンやSUVを駆るおっちゃん、おばちゃんたちはショッピングモールへ向けて見向きもせずに疾走する。そんな時はじっと家で本を読み、音楽を聴き、映画を観るのが一番である。

日本人の僕はやっぱり日本の正月の方が好きだ。

12.23.2009

2009年のベストアルバム

今年の僕にとってのベストアルバムを一枚に絞るのはとても難しい。今年リリースされたアルバムもあれば、2008年またはそれ以前にすでにリリースされていたものでも僕が今年になって発見したものもある。

それをご紹介する前に・・・

音楽業界では売り上げの継続的な下降が見られ、「深刻な状況」を心配する人たちも多いようだ。ダウンロード配信が上昇傾向にあっても全体的には横ばいか下降トレンドらしい。僕の立場から見れば音楽業界の連中から「心配だ」などとは聞きたくはない。単純に「いい音楽」が出ていないのだ。どんなに俗っぽくてベタな音楽(つまり「ヒット曲」というコンセプト)が大衆受けすると言っても、大衆側だって「いい」、「ふつ〜」、「ダメ」の区別くらいはつくだろう(と思いたい)。音楽業界、特に大手の連中がレベルアップしない間はこの状況は悪化しても良くはならないと考えている。

さて、僕の2009年のベストアルバム。まず2009年にリリースされたものから挙げると:



The Fieldの「Yesterday And Today」。スエーデンのストックホルム出身のアーティスト。2007年リリースの「From Here We Go Sublime」(これもとっても良い!)に続いて2009年にリリースされたこのアルバムは、前作同様ミニマルっぽい基盤に北欧特有のガラス細工や雪の結晶で覆われたようなサウンドが特徴。

もう一枚:



「Gold + Green」はテクノ界で最も注目されていると言ってもいい新人Architeqのデヴューアルバム。その独創的なサウンドと狂気のミックスでベテラン勢を唸らせたと言われている。こんなのもありなんだと思わせる作風で、今のところ何度聴いても僕には「分かる」まで至らない。

2009年になる前にリリースされたもので僕が今年発見したものの中では:



Evan Marcの「Emotional Ecology」。2007年にリリースされたようだが、その新鮮さはトラック1から最後まで全く失われていない。むしろ、ミニマルテクノとそのヴァリエーションが日本やヨーロッパ(アメリカではこのような音楽はあまり受けない)でヒートアップしているようだから僕みたいに後付けで見つける人も多いのでは。この人は他にも「Bluetech」のエイリアスでサイケ・ダブやアンビエントのアルバムを数枚リリースしている。が、やはりそれだけでやっていく事はアーティストとして困難らしく、ミニマルテクノっぽいクラブ向けの曲を別名でリリースし始めたと聞いている。

2010年も素晴らしい音楽との出会いがありますように・・・

12.22.2009

「去年ルノアールで」

日本語ビデオレンタルショップに再び通うようになってしまった。この行動はおそらく僕の「アンチ・アメリカン・クリスマス的」姿勢が反映されているからに違いない。

この時期、アメリカ人の多くは仕事、帰省または訪問中の親族、クリスマスプレゼントのショッピング、クリスマスディナーの献立、クリスマスパーティーが頭の中でごっちゃになっている。巨大なバンやSUVの中では子供たちがチャイルド・シートで泣き喚く。

そんな連中のアブナい運転には付き合っていられないし、「クリスマス渋滞」に捕まるのも嫌だ。だから週末は外出を避ける。本を読むか、音楽を聴くか、ビデオを観る。

先日借りてきたビデオはそれまで見慣れず聞き慣れなかったもので、「去年ルノアールで」という一話10分の短編集のようなもの。これが僕にはバカ爆笑モノの大ヒットだった。

ウィキペディアによると、「広報番組『Eネ!』枠内で、2007年7月15日から2007年9月30日に毎週日曜深夜26:30–26:40(毎週月曜日未明2:30−2:40)にショートドラマとして放映された。全12話。」とある。月曜日の未明なんて見る人はいないだろうと思うのだが、色んなところで目にする人気俳優たちも数人出演している。面白半分に出演依頼を引き受けたのだろうか、バカなキャラになり切っていた。

番組の中でコーヒーは「ルノアール名物、ブレンドコーヒー」と呼ばれていたが、僕の記憶には「ルノアールのブレンドコーヒーは美味しかった」という印象は全くない。どちらかというと煮詰まった臭いのする濃い目のコーヒーという覚えがある。個人的に「ルノアールの名物」と言えばお替わりタダのトーストなんだけど。高校生の底なしの胃にはもってこいのスナックだった。

僕の中高時代にはルノアールは至る所にあった。駅前銀座と呼ばれる場所では頻繁に見かけた。今のドトールやスタバのようなものなのだが、それは所在地の話であって、店内は全く違う。「去年ルノアールで」ではあの懐かしいルノアールの店内の様子を的確に描写しつつ、現在の客層の様子を絡めて面白く表現している。

本来ルノアールは名曲喫茶で、従って流れているBGMはクラシックである。が、あれほど過激にクラシックとは無関係な客層が中心となっている名曲喫茶は他に例を見ない。店内は今の時代には信じがたいほど広く、一見馬鹿でかいキャバレーかダンスホールのようなインテリアで、通常照明は暗めだった。僕にとっては一人で行く類いの喫茶店ではなかったから、行く時はいつも同級生たちと一緒だった。

この番組の中では「ルノアールGinza」と表示されていたけれど、僕にはそれが本当に銀座にあるルノアールで撮影されたのかは分からない。前回日本へ行った時は新宿東口のディスクユニオン付近と大ガードから新宿西口に出て大久保方面に向かった所にあった。

今でもルノアールの店内では実に雑多な人たちが実にランダムな事をやっているのだろうか?次回日本へ行く際は必ず行こう、ルノアール。

12.11.2009

50男の物欲 2

コルグがDS-10 Plusの日本発売を発表して以来、アメリカでの発売を待っていたけれどもう我慢出来ないっ、ってことで任天堂DS iをこちらで購入し、日本からDS-10 Plusも。


これだけでこのホリデー休暇は退屈しない!と思うほど内容が充実している。老眼鏡でなければソフトの表示が見えない(汗)のだが、楽しいのだから仕方が無い。

僕の物欲なんて相変わらずこんなものだ。

12.09.2009

西海岸の寒波

昨日と今日は出勤時の朝8時でマイナス2℃。これはこの一帯ではかなり寒い方だ。月曜日の朝などは山の頂上近くが雪と氷で真っ白だった。

車のエンジンをかけて暫くしないと窓やサイドミラーの霜、氷が解けない。

こんな日は17号線の山越えは要注意で、特に暗くなってから「ブラックアイス」と呼ばれる見えない氷にはまってコントロールを失うと事故る。こういう時は運転をあきらめて会社のシャトルに乗るのが一番。

[on now: Evan Marc & Steve Hillege - "Dreamtime Submersible"]