12.26.2008

グレイトフル・デッド・コレクション@UCSC

1965年以来蓄積されて来たグレイトフル・デッドにまつわる文書、音源、写真、ポスター、フライヤー、シャツ、その他さまざまな記念品のコレクション。この膨大なアーカイブが、カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)によって保存、管理されているのはご存知だろうか?

2008年4月24日、グレイトフル・デッドのオフィスは彼らが今まで自分たちで管理してきた膨大な記録をUCSCに寄贈し、管理をゆだねると正式に発表した。それ以来、UCSCの図書館では寄贈品のカタログ、分別、保管、記録、分析を行っている。この活動は「デッド・セントラル」と呼ばれる特別な部屋で行われているそうだ。

デッドとUCSCの関係は、メンバーが参加している団体などがそれぞれの関心に基づいた理由で大学に寄付してきたこともあって密接なものと言って良いかもしれない。ボビーが育んできたRex FoundationとフィルのUnbroken Chainが音楽学部教授のフレッド・リーバーマンを通じて作曲家Lou Harrisonのアーカイブ保存のために寄付したそうだ。また、リーバーマン教授はミッキーの著作「Planet Drum」と「Drumming at the Edge of Magic」の共著者でもある。

この発表を機会に作られたのが、前回にご紹介した「バナナ・スラッグ」のキャラを使った記念T−シャツ。その名も「グレイトフル・スラッグ」。こんな感じだ:

大学のブックストアで売っているし、オンラインでも買える。お値段は$19.99。海外への発送は可能かどうか不明。以下で:

http://tinyurl.com/9599yv

デッドが寄付した彼らの歴史がここサンタクルーズにある。いつか展示会が開かれるのだろうかと楽しみにしている。

12.21.2008

カリフォルニア大学サンタクルーズ校

サンタクルーズ一帯のコミュニティーで大きな存在のひとつにカリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)がある。ダウンタウンの西側に位置し、太平洋とモントレー湾を望む丘の斜面に広がるキャンパスは、自然との共存を配慮した設計によるものだ。

通常、大きな大学にはアメリカンフットボール、バスケットボールのような金はかかるが儲かりもするスポーツが盛んだが、そちらの方はバークレー校やUCLAに任せておいて、このキャンパスでは学問と小規模なスポーツに焦点を置いている。UCSCの数学、物理、応用物理、天文学などの学部は、アメリカ全国で最も優秀なカリキュラムを持っており、世界的にも有名な学者が揃っている。

UCSCのオフィシャルマスコットは「バナナ・スラッグス」。「イエロー・スラッグス」とも呼ばれる本当にバナナのような黄色くしかも巨大なナメクジである。サンタクルーズ周辺のカリフォルニアレッドウッドの大木が連なる森など、現地周辺だけに生息するローカルな生物。夏の乾燥した季節にはあまり見られないが、雨期の湿った季節にレッドウッドの森をハイキングすると鮮やかな黄色が目に飛び込んでくる。

普通、学校のマスコットは猛獣などをモチーフにした勇ましいというか攻撃的なキャラを使いたがるのだが、ここピース&ラブのサンタクルーズでは、眼鏡をかけた知的なバナナ・スラッグがその役目を担っている。

大学のオフィシャルTシャツの中には、日本の禅から引用した「通心眼」という言葉をあしらったバナナ・スラッグが瞑想するイメージを使ったものもある:

学生、教授、スタッフを合わせて約2万人が、革新的で知的でにぎやかな要素をこの町に加えている。その要素と現地の元来革新的な背景が合致して、サンタクルーズはアメリカ国内でもっとも革新的な町としても知られることになった。僕がこの町が好きなのは、こういったサンフランシスコと同じような背景があってしかも比較的静かな環境だから。

僕がサンタクルーズを好む理由はもちろん他にもある。今後それらを紹介する機会もあるだろう。

12.17.2008

ニューイヤーズ

アトランタで行われる恒例のSTS9のニューイヤーズランへ行こうとプランしていたのだが、昨日STS9はウインターツアーの日程を発表し、ツアーの始めにSFのフィルモアで4夜連続でショーがあるということが分かったので、急遽予定変更。アトランタ行きは取りやめ、予約は全てキャンセルし、フィルモアでの4ショーパスを買った。

これでこの年末年始はどこへも遠出しなくてすむ。しかも断然安上がり。

フィルモアでのショーは2月26、27、28、および3月1日。日本から誰か来ないかな?

ってことはニューイヤーズはフィルとボビーか?まだチケも何もないけど。

例によってSFのニューイヤーズはいろいろある。Zappa Plays Zappa、George Clinton & P-Funk、Les Claypool、Phil Lesh & FriendsとBob Weir & The Ratdog、そしてThievery CorporationがヘッドライナーのSea Of Dreamsなどなど。どのイベントもまだソールドアウトしていない。この経済じゃみんな考えてしまうのだろう。ニューイヤーズのチケットは高い。

経済と言えばいいニュース無し。かなり厳しい状況。それでもクリスマスの飾りは思ったよりも多くの家で灯っている。

We will survive...

12.12.2008

2008年のベストアルバム

2008年のベストアルバムはGaraj Mahal(ガラジ・マハル)の「w00t」。

ばりばりのフュージョンジャズ。1970年代、僕がまだ高校生だった頃にジャズ喫茶で聴きまくったエレクトリックなマイルス、ウェザーレポート、ハービー・ハンコック、リターン・トゥ・フォーエヴァー、マハヴィシュヌ・オーケストラなどのサウンドとテクが凝縮されてグローバルにアップデートされた作品。エレクトリックフュージョンジャズの中でもリターン・トゥ・フォーエヴァーとマハヴィシュヌ・オーケストラを連想するなぁ。

最近、ガラジにはメンバーチェンジがあって、長年力強いビートをキープしていたアラン・ハーツに替わってショーン・リックマンというドラマーが参加したんだけど、このアルバムでは全編アランがドラマー、作曲、アレンジで参加して有終の美を飾っている。

圧倒的なパフォーマンスです。凄い。

ガラジのショーは通常とても小さなヴェニューで観ることが出来るのだけれど、そうそうたるミュージシャンの演奏を目の前で観れる反面、なぜこのバンドがもっと注目されないのか、ショーに行くたびに首を傾げている。テクニカル過ぎるバンドはあまり人が来ないと言われているけど、彼らの音楽は踊れる音楽だと思うし、コミカルなところもあって楽しめる要素はいろいろあるんだけど。

ちなみに、ショーン・リックマンはベーシストのカイ・エックハートの友達。ということは自動的に超テクのミュージシャンなんだが、個人的にはアラン・ハーツのドラムの方が好き。歯切れよくパワフルなアランに比べてショーンのドラミングは歯切れはいいし、黒人独特の粘ったさもある一方で、音が軽いのと手数が多過ぎるように思えるのが個人的にはちょっと・・・ただ、ショーンは歌えるドラマーでもあるので、初めてこのラインナップで観たときは「黒人が歌うロック」のヴォーカルを披露してくれた。これまでのガラジとはそこが大きな違いで、ショーの選曲にもバラエティーが出てでくるんじゃないかな。

来年早々、1月8日にサンタクルーズのMoe's Alleyでのショーが楽しみ。

12.06.2008

買い物


家主さんからコッテージが完成したから入居出来るよ、と言われたのが11月半ば。そう言われても・・・何もない。そこで買い物リストを作った。

寝具:心身ともによく休むのは必須、一番大切なことかも。心地よく眠れる環境を作ろう。マットレス、枕、ダウン入りのコンフォター、シーツとカバー類。全部で千ドルくらい。サンタクルーズは冷えるので暖かく眠れるものを選ぶ。

ハンガーラック:二階のロフトには家主さんから借りている引き出ししかない。シャツとかコートをハンガーに掛ける。40ドル。

小さな祭壇:お香を炊いたり、クリスタルを置く場所。ダライラマ14世の写真とホワイト・タラ神の写真、チベット仏教のタンカ画のカレンダー、猫が瞑想している像などを並べた。

デスクとイス:デスクとイスはサイズや機能、格納方法など、いろいろ調べて選びたいので、今のところはこれも家主さんからピクニックテーブルと折り畳みイスを借りて使う。デスクにはコンピュータ、CDプレーヤーとスピーカー、外付けのHDを置く。

ケトルとコーヒーのメリタとカップ:コーヒー飲みには必須。ケトルは電動。湯が沸くと自動的にオフになるもので、ガラス製は安心できる。豆のグラインダーがないので、地元のコーヒーショップで豆を買い、その際にグラインドしてもらう。もちろんスターバックスはボイコット。

水:この敷地では井戸水を使っている。鉄分やその他の成分が多く含まれている水は、少々飲んでも平気だけど常に飲むのは無理。家主さんは「水ショップ」で大量の飲料水を買って料理にも使う。僕も容量1ガロンのガラス製ボトルを使って飲料水を買うことにする。プラスチック製のボトルはなるべく使わない。

これだけで十分生活を始めることが出来る。

11.30.2008

空っぽの部屋


自宅から持ち出したのは、服、靴、本数冊、ripするためのCD三箱、CDプレーヤー、マックなど最低限必要なものだけ。大家さんの母屋の一室で十分だった。コッテージに入居するとなると、いろいろ必要になる。そこで考えた。出来るだけシンプルに生活スペースを作りたい。最初は何が必要だろうか。

入居する数日前から必要なもののリストを作り、優先性も考えた。ポリシーとしては:

必要なものしか買わない
「当面使うものだからまず適当なものを買って使う」ようなものも買わない
中国製は可能な限り買わない
素材が中国産であることも調べて判明すればそれも買わない

贅沢だな、と感じるのは大家さんが必要なものは何でも使わせてくれるので、買う前にまず何が必要なのかを定め、いろいろ調べて品を決めることが出来るような余裕があるということ。そうやってこの空っぽの部屋をカスタマイズしていけたらな、と。

大家さんには食費も払ってあって、夕食は一緒に食べるし、母屋にある食べ物や飲み水は勝手に使っていい。これも贅沢な話。

いろんな人の援助や協力のお陰で生きている。有り難いことです。

11.28.2008

コッテージライフ
















これが僕の新居。

木造二階建て。一階はキッチン(冷蔵庫完備)、フルバスルーム、小さなダイニングとこれまた小さなリビングスペース。床暖房完備。二階はロフトスタイルのワンルーム。床は竹材。四方にブラインド付きの窓があり、天井には四つのスカイライト。

独身生活にはぴったりだ。

ロケーションは浅くて広い谷間に広がるカリフォルニアレッドウッドの森の入り口。それでも町の中心まで車でわずか10分。敷地は東に面した山の斜面で、大家さんは山の頂上までの扇形の土地を持っている。西側に山があるため、日照時間は短い。

コッテージから20メートル離れたところに大家さんの母屋、別方向に20メートル離れてもう一棟の建物がある。コッテージの正面はリンゴの木、その先はちょっとした家庭菜園があり、有機農園として使われている。

海が近く、これも車で10分で海岸に出る。

サイレンの音や交通の騒音が少ない。海が近いのと森が近いおかげで空気は新鮮。星が素晴らしくきれいで、晴れた夜はロフトのスカイライトから明るい月光が射し、星を見ながら眠りにつく。鳥が多い。蜂鳥(ハミングバード)や青カケス、トビ、鷹を見る。見えないけど夜に鳴き声を聞く事でフクロウも近所にいることが分かる。時にはコヨーテの遠吠えがする。鹿はうようよいて、夜の運転中は要注意。蹄の音がコツコツと響くこともしばしばある。

通勤は悪名高い17号線で山越えしなければならない。幸い、僕が引っ越しを決心した直後に会社が社員専用のシャトルバスを運行し始め、プロの運転手に任せてiPhoneで音楽を聴きながらの通勤が出来るようになった。バスの社内にはWifiも完備しているから仕事もできる。停留所までは車で12、3分。そこから会社ビルまで35分から40分で行ける。医者や歯医者や個人的な買い物や友達に会う時やショーに行くときは自分で運転する。シャトルバスに乗るには朝七時起床が必要となった。きつかったけど何とか慣れた。おかげで早寝早起きの習慣が出来つつある。

なんとまあ恵まれた環境だろう。これからここにしばらく、出来れば長い間お世話になる。