11.11.2010

サンノゼという街


僕の住んでいる街はサンノゼ、またはサンホゼ。その中のウィロー・グレンという区域に家がある。サンノゼは変な街だ。人口は100万人ほどでアメリカでは第10位。それほど人が多い都市というものは通常それなりに賑やかな界隈がいくつかあり、文化があり、人々が歩き回るものだが、サンノゼにはそういうものが見当たらない。

確かに街の中心にはダウンタウンがあり、アドビ・システムズなどハイテク企業の本社ビルや支社オフィスがあり、それほど悪くない現代美術館、テクノロジー系の博物館、飲食店なども揃っている。ダウンタウンのすぐ隣にはサンノゼ州立大学もある。が、何かが決定的に欠けていて、街としてはかなり稀薄だ。

文化は無い。自称「シリコンバレーの中心地」とも言ってはいるが、ハイテク産業はあくまでもハイテクにしか過ぎず、金はある程度集まるのだろうが関心が湧くような面白さを生むには至らない。伝統的な文化やサブカル的な面白さも無い。

面白い事に、ウィロー・グレンの住民達は「ウィロー・グレンに住んでいます」と自慢気に言うが、「サンノゼに住んでいる」とは誰も言わない。確かに、住居地として「ウィロー・グレン」の方が「サンノゼ」よりは遥かに響きが良い。その背後にはウィロー・グレンの方が住宅地としてより良い場所とされている事、治安もサンノゼ全体の平均よりはるかに良い事など現地の人たちの間で了解されているという理由があるのだろう。ローズガーデンという高級住宅地もあるのだが、その住民もサンノゼに住んでいるという感覚は持っていないのではないだろうか。

個人的にはサンノゼのダウンタウン自体にはほんのたまにしか行かない。どうせ街に繰り出すのならサンフランシスコまで行った方が断然楽しいし、こじんまりと環境が良い街ならサンタクルーズがある。

ただ一つ、サンノゼに依存するのは、ダウンタウンの傍にジャパンタウン(日本町)がある事だろう。その小さな地区には旨い定食屋があるし、サンノゼ豆腐では絶品の豆腐を作っていて、饅頭屋だってある。日本食スーパーやアニメグッズを揃えた店もある。

全く変な街だ。