11.30.2010

11月の京都


サンクスギビング(感謝祭)の一週間、京都に居た。勤労感謝の日の休日がある11月末の週には縁があって、2007年に前妻が東山の法然院で個展を開いた時以来、ほぼ毎年のように秋の京都を訪れている。が、寺社仏閣を訪れることはそれほどなく、主に町中を歩き回って楽しむ。

コーヒー好きとしては堪らない町だ。今やチェーン系と効率の良さが全面に出ている東京では、美味いコーヒーを味わえる店の存在感はあの大都市の広さもあってか、その密度はむしろ希薄だと感じる。もちろん、何でもある東京には美味いコーヒーを飲ませる店は無数にあるのだが。

京都は代表的な「日本の美」を見たり感じたりすることが出来る町だと言われるが、町の全部がそうなのではない。現代化した町だし、必ずしも良いデザインとは言えない要素も多くなっている。アメリカに住んでいる者がハッとするような「日本の美」は、寺の庭や仏像、焼き物、食べ物の他にも、どちらかと言えばひっそりと、町中の日毎の生活の中にある、と思う。

11.15.2010

もう一つのブログ

この週末にもう一つのブログを始めた。以下のリンクで:

…soundtraveller…

一応、このブログの右側の欄にあり「Links」にもリンクを貼った。

このブログは文章と写真が中心だが、tumblr.comでのブログはフォトブログと言っても良いだろうか。少なくとも、そちらでは写真を中心にアップしていきたいと思っている。文章は書かず、写真の短い説明を日本語と英語で付記するだけにした。

11.11.2010

サンノゼという街


僕の住んでいる街はサンノゼ、またはサンホゼ。その中のウィロー・グレンという区域に家がある。サンノゼは変な街だ。人口は100万人ほどでアメリカでは第10位。それほど人が多い都市というものは通常それなりに賑やかな界隈がいくつかあり、文化があり、人々が歩き回るものだが、サンノゼにはそういうものが見当たらない。

確かに街の中心にはダウンタウンがあり、アドビ・システムズなどハイテク企業の本社ビルや支社オフィスがあり、それほど悪くない現代美術館、テクノロジー系の博物館、飲食店なども揃っている。ダウンタウンのすぐ隣にはサンノゼ州立大学もある。が、何かが決定的に欠けていて、街としてはかなり稀薄だ。

文化は無い。自称「シリコンバレーの中心地」とも言ってはいるが、ハイテク産業はあくまでもハイテクにしか過ぎず、金はある程度集まるのだろうが関心が湧くような面白さを生むには至らない。伝統的な文化やサブカル的な面白さも無い。

面白い事に、ウィロー・グレンの住民達は「ウィロー・グレンに住んでいます」と自慢気に言うが、「サンノゼに住んでいる」とは誰も言わない。確かに、住居地として「ウィロー・グレン」の方が「サンノゼ」よりは遥かに響きが良い。その背後にはウィロー・グレンの方が住宅地としてより良い場所とされている事、治安もサンノゼ全体の平均よりはるかに良い事など現地の人たちの間で了解されているという理由があるのだろう。ローズガーデンという高級住宅地もあるのだが、その住民もサンノゼに住んでいるという感覚は持っていないのではないだろうか。

個人的にはサンノゼのダウンタウン自体にはほんのたまにしか行かない。どうせ街に繰り出すのならサンフランシスコまで行った方が断然楽しいし、こじんまりと環境が良い街ならサンタクルーズがある。

ただ一つ、サンノゼに依存するのは、ダウンタウンの傍にジャパンタウン(日本町)がある事だろう。その小さな地区には旨い定食屋があるし、サンノゼ豆腐では絶品の豆腐を作っていて、饅頭屋だってある。日本食スーパーやアニメグッズを揃えた店もある。

全く変な街だ。

11.07.2010

早くも



車で10分も行かないところに、有名ブランドがずらりと並ぶ「サンタナ・ロー」というショッピングセンターと、大きなショッピングモールが隣通しに並ぶ一角がある。そこへ行くハイウエーの出口がこの週末からいきなり渋滞し始めた。クリスマスショッピングのシーズンが始まった。

ハロウィーンが過ぎたと思いきやリテールの店頭は早くもクリスマス商戦に向けて模様替えしている。僕がアメリカに渡った70年代、そしてその後20年ほどは、商店がクリスマスショッピングに備えてデコレーションを始めたのは11月末のサンクスギビング(感謝祭)の週末が明けてからだった。90年代になると、ハロウィーンが終わったらテレビでクリスマスモードのコマーシャルが出始め、近年に至ってはクリスマスのデコを見始めるのが異常に早くなり、大きなショッピングモールでは9月にはハロウィーン、サンクスギビング、クリスマスのデコが全部出てしまっているところさえある。つまりお化け、カボチャと紅葉と七面鳥、クリスマスツリーが同時に飾られるのである。

大手多国籍企業から個人経営の商店に至るまで、クリスマス商戦は死活問題であり、年に最も売り上げが高くあるべき時期となった。この時期に売り上げが芳しくなければ企業や商店は確実に潰れる。クリスマス、年末を含む四半期決算でその判定が下る。

アメリカの消費者はこの30年間で確実に年末消費パターンを変えられてしまった。洗脳されたと言っても良い。

日本のクリスマスも企業や商店の書き入れ時だろう。宗教的には無信仰に近い文化だから、物質が先行するのはやむを得ない。独身者がロマンチックなクリスマスイブを一緒に過ごす相手を探すのにやきもきしたり、彼/彼女のプレゼントを選んだり、カップルがホテルとレストランの予約に奔走したりする。テレビの連ドラでは必ずと言って良いほど「クリスマスのミラクル!」っぽい過剰演出のクライマックスがある。ライトアップスポットは即デートスポットやおばちゃんの集団がドカドカワイワイ出かける場所になる。バカバカしいと言ってしまえばそれだけだが、ある意味微笑ましくもあり、可愛くもある。日本化したクリスマスには宗教絡みの「嘘」が無い。キリストの誕生日もクソもなく、楽しく、出来ればロマンスに恵まれ、色鮮やかに楽しい季節。それで良いと思う。

アメリカというこの消費大国では、クリスマスは一年で最も無駄で最もエゲツナイ消費が行われる時期、それだけだ。が、キリスト教信者の数が多いためか、一応キリストの誕生日という、今では後付けとさえ思えるような名目上のカモフラージュを装う。

ガソリンの燃費が最悪のでっかい車を飛ばしてショッピングモール、ショッピングセンターを走り回り、入り口に最も近い駐車スポットをめぐってテンションを上げて競争したり言い合いになったり。モールの中では貯金があろうが無かろうがクレジットカードに全てをゆだね、クリスマス用に吊上げられた高めの値段でそれほど必要でもないものを買いまくる。その反面教会の礼拝にはちゃんと出て「クリスマスは感謝の季節。恵まれぬ貧しい人にも幸あるように」などと真顔で祈っている。恵まれない人たちにはこれっぽっちも恵む事がないか、税金の控除の対象になるという理由も手伝って適当に寄付するくらいだろうか。きれいごとはともかく、「クリスマス・キャロル」のスクルージのような連中がほとんどである。普段は性格がいい人でもクリスマスショッピングになるとストレスが貯まるのか、嫌な面を露呈することさえある。

僕に言わせてみれば「嘘だらけ」なのだ。クリスマスだから買い物しまくって、美味いもん食いまくって、彼/彼女とロマンチックに過ごして、子供が欲しいというものを買ってやって、ついでに自分が一番欲しいものもチャッカリ買って、友達や同僚とホリデーパーティーで飲んで騒いで・・・だけの方がむしろ賛同出来る。

一度で良いから日本で奇麗な女性と「ロマンチックなクリスマスイブ」なるものを過ごしてみたいものだ。

11.05.2010

季節の味


アメリカに住んでいて日本の人たちが羨ましいと思う事の一つに、「季節の味」がある。高価なものから定食屋で安くて美味しく食べることが出来るものまで、実に様々な四季折々の食材が店頭や家庭料理や居酒屋やレストランに出る。

「あぁ、これが食べられる季節になったか」という文句はちょっとオッサン臭くもあるけれど、若い人たちだってそう思っているに違いない。

さて、アメリカで食材を見て季節を感じることはそれほど無い。新鮮な野菜や果物は豊富だが、巨大なスーパーの膨大な食材を見渡しても年中同じように見える。魚は通常エゲツナイ冷凍物ばかりだし、新鮮な魚でも季節によって魚の種類が変わるようには見えない。季節を感じるのは、温室ものではなくて夏の陽を浴びて育ったトマトの瑞々しさを口の中で味わう時くらいだ。

別の言い方をすればアメリカの普通のスーパーで売っている食材は、そのほとんどが人口的に管理された環境から収穫を得ているものだということだ。年中欲しいものが手に入る、というのは眉唾物だと思っていい。さらに言えば、日本で食材を売っている店でそのような品物が増えているとすれば、それはむしろ「警告」と解釈した方が良いと思う。地元の市場、八百屋、果物屋を是非応援して頂きたい。

例外は「ファーマーズ・マーケット」と呼ばれる、区々で通常週一で開かれる野菜と果物の市場。農家の人たちが新鮮な収穫を売りに来る。カリフォルニアでは有機農法で育ったものが多く見られる。そこで手に入る食材は新鮮度でも健康度でも、そして美味しさにおいても一般のスーパーのそれとは格段の差がある。

秋は味覚が最も豊かな季節。大いに食べて下さい。

11.03.2010

写真


写真を撮るのは好き。旅をしていたときはキャノンのデジタル一眼レフとバカちょんで撮りまくって楽しんだ。旅を終えてカリフォルニアの生活に戻ってからは一眼レフを持ち歩く事は少なくなり、バカちょんをハイエンドのキャノンS90にアップグレードしたくらいで、ポケットサイズのカメラを持ち歩いてちょこちょこ撮っていただけだった。

初世代iPhoneが出た時はカメラの性能が全く良くなかったので使わなかったのだが、iPhone 4が出てからはそのカメラの性能と手軽さが気に入って大いに使っている。出かける時はiPhone 4とキャノンS90を持って状況によって使い分ける事が多い。

でも最近またちょっとした大きさのカメラを持ちたいと感じるようになった。デジタル一眼レフはなんか大きすぎ、また重すぎて動き難い。昨年辺りからサイズは小さいがレンズ交換も出来る製品が出ているようなのでちょっと考えている。

11.01.2010

サンフランシスコ・ジャイアンツ優勝!

ニューヨークからサンフランシスコに移って以来、苦節56年。SFジャイアンツがついにワールドシリーズで優勝!

これはかなり盛り上がると思いますよ。

普段はサッカー以外のスポーツにはあまり関心はないんだけど、やはり地元のチームが活躍すると嬉しい。

この快挙を祝う「スティール・ユア・フェイス」のシャツが出たら買っちゃうかもしれないな。


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場所:アルマデン・ウォーク・ループ,サンノゼ,アメリカ合衆国