先週の月曜日、マウンテンヴューのショアライン・アンファイシアター(野外劇場)であったRush(ラッシュ)のコンサートに行ってきた。大学在学中以来、常にチェックして来たなじみ深いバンドだ。彼らのライブを初めて観たのは1984年の秋、オハイオ州のデイトン。「Grace Under Pressure」というアルバムをリリースした時のツアーだった。
今年のツアーは、Rushの代表作、代名詞と言われるアルバム「Moving Pictures」を全編最初から最後まで演奏するというネタが組み込まれたもの。
Rushのファンは圧倒的に男性が多い。その理由はいろいろある。(1)レパートリーにラブソングが全くない。これは決定的。(2)ベーシスト/リードヴォーカルのゲディー・リーの歌声を嫌う女性が多い。(3)各バンドメンバーはそれぞれの楽器においてロック界を代表する優れた演奏家であるため、彼らに憧れる男の子/オッサンが多い。(4)サイエンス・フィクションや社会情勢にインスパイアされた歌詞が多く、それに共感するのが男性である事。しかもコンピューターナードもなぜか惹かれるらしい。
つまりRushはあまり女の子たちと縁がないロッカーキッズ、シャイで頭が良くて眼鏡をかけていて本を読むのが好きな男の子たち、どこかナード/ギーク指向な男の子たちが成長する過程でずっと聴き続けるバンド、のようである。
バンドメンバー本人たちも今年57歳。今も斬新な新曲を書いてレコーディングを続けている。ライブでも、バックドロップの大きなスクリーンに映し出された彼らの表情が実に楽しそうで幸せそうである。目玉の「Moving Pictures」も素晴らしい演奏だった。ファンはアルバムを全部丸暗記していて、歌詞はもちろんスネアの入れ方まで口で再現しながら聴いていた。
ニューアルバムとリリース後のツアーがまた楽しみ。