日本は清潔さやサービスの良さなどで世界的に群を抜いている。物騒な事件が起こるとは言いつつも、治安の良さでも国際的には最高レベルだと言える。サービスの質の高さと平行して日本人の平均的な勤勉さやプロ意識も同様だ。
海外から訪れる人たちの目には良い意味で異様な光景に違いない。日本滞在中にはたと気付いて、ここまで目を配るのか、そんな事までするのか、と関心したり目を見張ったりするわけである。日本人にとってこれらのことは当たり前であって特別な事でも何でもなく、それを有り難く思う感覚も麻痺していると思われる。
そんな日本人がその有り難さを痛感するのは海外へ出かける時だろう。下手をすれば外資系の航空会社の飛行機に乗り込んだ瞬間からそれを思い知らされる羽目になる。日本の外に出た人で、しかも何らかの体験をしないと日本の特殊性には気付かない。
一ヶ月間ウォッシュレット無しで生活して日本に戻って来る事を想像してみれば良い。僕は日本滞在からカリフォルニアに戻って僅か数日後にはケツが痛くなる。このケツの痛さは国内でウォッシュレット完備をほぼ実現した日本の外ではごく普通の現象であると想像せざるを得ない。
清潔、質の高いサービス、細かい気遣いなどのレベルの高さを「世界で日本だけで他の国には無いもの」と初めて認識するのだ。角度を変えた言い方をすれば、日本の外でこうした日本の良さを要求したり期待するのは文字通り場所違いなのだ。
例えば、日本のサラリーマンが出張でフランスへ行く。フランスでは昼食にも時間をかけ、昼間からワインも飲む。その勤勉な日本人サラリーマンは帰国してから同僚にこんな風に報告する。
「パリで先方の社員と昼飯食ったんだけどね、連中ったら昼間っからワイン飲みやがってさ、あれじゃ仕事になんねぇよ。フランス人って怠け者なんだな。プロジェクトの話が進まなくてさ〜。」
勤勉さが国民性の一部である日本人にしてみればそういう見方もあるだろう。別の見方をすればこうなる。
「パリで先方の社員と昼飯食ったんだけどね、連中ったら昼間っからワイン飲んでるわけ。さすがにヨーロッパってところは日本と違ってゆったりとしているというか、人生楽しんで生きているよね。日本人みたいにあくせくしてないんだよなぁ。」
海外の工場で現地社員に日本でやっているのと同じ部品の作り方を指導して、教え込むことは出来る。が、彼らの生活様式や国民性を日本人化することは出来ない。その逆もまたしかり。日本のサラリーマンがEU圏で法律によって保証されている毎年5〜6週間の休暇を得ることが出来ても、日本人の国民性ではその時間をどのように自分を楽しませリラックス/リフレッシュさせるために使って良いのかも分からないだろう。普段スーツ&ネクタイ姿で蟻のように働くサラリーマンの自殺件数が上昇するだけだ。
その一方で清潔さやサービスの質の高さで与える好感度を「輸出」する事は可能だと考えている。中国などはその典型的な輸出先であろう。もっとも、マネとコピーしか出来ない中国人の事だから全部自分たちだけのアイディアでやったのだと言い張るに違いないのだが。
1.30.2014
1.26.2014
東北1
6週間という大変長い休暇をもらったので2013年11月から年明けまで日本で過ごすことにした。日本国内でまだ行ったことがないところへ行きたかった。なかでも東北の被災地は自分の目で見たいとの思いが強かった。
東京から仙台経由で松島へ。
海岸沿いの旅館で一泊。旅館のスタッフによれば、牡鹿半島に遮られたお陰で松島は津波の被害から逃れたらしい。夕闇迫る松島湾の海岸沿いを歩いた。蒼っぽい色の海面と雨を予期させる雲が美しかった。明らかにカリフォルニアでも日本の都会でもない色。
その夜、朝1時過ぎだったか、地震で目が覚めた。後で調べるとM4前後の揺れが太平洋沖であったようだ。慣れない自分には異様な感覚。雨音を聞きながら再び眠りに落ちた。
東京から仙台経由で松島へ。
海岸沿いの旅館で一泊。旅館のスタッフによれば、牡鹿半島に遮られたお陰で松島は津波の被害から逃れたらしい。夕闇迫る松島湾の海岸沿いを歩いた。蒼っぽい色の海面と雨を予期させる雲が美しかった。明らかにカリフォルニアでも日本の都会でもない色。
その夜、朝1時過ぎだったか、地震で目が覚めた。後で調べるとM4前後の揺れが太平洋沖であったようだ。慣れない自分には異様な感覚。雨音を聞きながら再び眠りに落ちた。
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