シリコンバレーの不動産価格が再び上がり始めた。2008年の経済の落ち込み以後2010年、いや2011年まで下がり続けていたのだが、ここ数ヶ月で急に上がってきている。
ニューヨーク・シティーの不動産や家賃がアメリカで最も高いのは周知の事実だが、サンフランシスコ・ベイエリアはニューヨーク・シティーに次いで二番目に高いとされる。アメリカの経済が落ち込み、リストラと雇用問題が全国的に蔓延する中、サンフランシスコ市内のアパートは95%以上の稼働率を保ち、家賃が高騰していた。車社会のアメリカではアパートと言えども通常自分の車の駐車スペースがあり使用も家賃に含まれている。サンフランシスコ市内のアパートはそれ程治安が良くない地域で駐車場も無い1LDKでも家賃は月3,000ドル前後である。
独身で交際中だがそれぞれアパートに独り住まいのカップルが居るとすれば、二人で6,000ドル前後払っていることになる。これほど家賃が高くなると仕事を持つ人たちは当然家を買う事を考え始める。これは一例だが、それが数ある原因の小さな一つではないかと考えている。
シリコンバレーにあるこの中流長屋でも「For Sale」のサインが出始めている。マンションやタウンハウスを売り、一戸建てへ移ろうとする人たちだ。売りに出されたここの物件は驚いた事に15日から30日間で売れているようだ。しかも複数のオファーもあると言う。
この長屋の一軒を買う際、「ここには最低五年住もう」と決めていた。2010年1月に入居した後も下降トレンドは収まらず、とてもじゃないが売れるような値段ではなかったが、ようやく買値より高く売れる価格まで上がってきたようなのだ。グッドニュースである。