二日目はやっと午後からバンドを観始めた。Lubriphonicはシカゴ出身のR&Bバンドなんだけど、バンドメンバーが皆飛んでもない目立ちたがり屋で、それぞれソロの時など目立つことには嘘無し。それがむしろストレートで気持ちいい。メジャーなシンガーソングライターAni DiFrancoをチェックしたけれど、いかにハードでも弾き語り系は僕には響いて来ないな。で、この日のハイライト、Cornmeal。これもシカゴ出身で一応「ブルグラ系」なのだが、ジャムるジャムる!噂には聞いていたけれど、ぐんぐん引っ張っていく感じはヨンダーに似ている。しかもドラムスがあって踊れる。三日目のレイトナイトはビスコと決めていたけれど、もうちょっと聞きたかったから彼らのレイトナイトチケットも買ってしまった。ヴァイオリンの女性は楽器が彼女の体の一部であるかのようにしなやかにのびのびと動き回る。彼女のジャムは凄い。この夜のレイトナイトはALO。軽やかで楽しい。

三日目。ハイシエラが導入しようとしているインディーロック系のRed Cortezをチェック。最近はいろんなインディー系が出ているけどどのバンドも同じような感じでピンと来ない。賑やかなLeftover Salmonはメンバーを再編成して活動を再開した。彼らは楽しいのだけれど、ちょうどその時間にアポをとっていたマッサージのBGMとしては騒がし過ぎる(笑)。でもマッサージを受けた後、Fareedの自己のバンド、Fareed Haque and the Flat Earth Ensembleを観れたのは良かった。このバンドはタブラ、シタール、キーボード、ドラムス、ベースにFareedのギターという構成。いつもながら「なぜこの人の知名度が低いのか?」と考えてしまった。素晴らしい演奏で、セット中はほとんどのオーディエンスが座って聴いていた。その後はキモック。Steve Kimock Crazy Engineはこのフェスで観るからとそれまではショーには行っていなかったので初めて。JGBの曲よりもこのバンドのオリジナル曲を中心になったセット。キモさん、いい味出してました。ドラムスは彼の16歳の息子が頑張っていた。ねえさんが書いていたように、僕も彼のドラムスの方がロドニーのよりも好き。でもAlan Hertzには適わんよ。レイトナイトはビスコとCornmealを行ったり来たり。だけどCornmealがジャムっている時の方がモロブルグラやっている時よりも好きだった。Jerry GarciaとDavid Grismanがやっていた曲「Shady Grove」で凄いジャムを展開していた。

最終日。連夜のレイトナイトで疲労気味。動きもスロー。この日はどのバンドにも特にのめり込まず、夕方近くにVieux Farka ToureのアフリカンミュージックをBGMにまたマッサージを受ける。Wailersはボブ・マーレーの曲を忠実に再現していたけれど、Global Fusionの旅以来レゲエは今でも食傷気味。このフェスの野外の最後はビスコ。前夜Cornmealに重点を置いてみたためにこの日はほぼずっとメインステージのビスコで踊っていた。今までメインステージで2時間半のセットなんて無かったけれど、彼らはその長いセットを難なくこなしていた。だって2時間半の間に彼らが一息入れてチューニングしたのはわずか3回ほど。終わることの無いドラマチックな演奏が延々と続くのはいかにも彼ららしいな。
最終日はビスコで踊り過ぎた上にそれまでの疲れも重なってレイトナイトはパス。キモさんのレイトナイトチケットは友達にあげてしまって早々に寝床へ。爆睡。
不況に喘ぐアメリカでのフェス、今年は全国で行われているフェスの動員数が軒並み20%減なのだとか。ハイシエラも例外ではなく、土曜日のレイトナイトの前にファイアーダンスをやっている広場でたむろっている人たちもまばらだった。でも例年以上にチルだった。あのゆったりとした感じが北カリ本来のバイブレーションでとても良かった。

3枚目の写真はニーナの作。
来年、ハイシエラは20周年を迎えます。
追伸:誰かFareedを日本に呼んで下さい!Garaj Mahalかな、やっぱり。